幽暮の魔女①
オクニと離れて、イヴの指示でこの国の魔女を5人倒せば西に戻れるということで、必死に魔女を探すことにした。
その矢先に魔女を見つけてしまった。
もうすぐ沈む日差しが山の斜面に咲いているヒマワリを照らす。
ジャンヌは滑りながら、魔女と対戦していた。
「逃がさないよ!」
魔女の背後に浮いている大きいヒマワリから種を無数に飛ばす。
ロザリオを大きく振り、白い炎の波を放つ。
迫ってくる種を消していく。
その時、サイドから何匹か茶色と白のハムスターが飛び出す。
すぐに大きく振り、白い炎で燃やす。
ハムスターたちが燃やながら消えるも、消えずにいるハムスターが飛び掛かる。その一匹に首をかする。
「ち!」と悪態をつく。
ハムスターたちは白い炎と共に消える。
「夕輪の魔女ヒマワリ・ナツカから逃げると思うなよ!」
先端にヒマワリの花びらのついた黄色と黒髪。小さい2本の角。黄色の瞳の少女が浮いている。
ヒマワリが杖を持って迫ってくる。
ロザリオを構える。
カナカナカナカナカナカナと鳴り響く。
どこ。
さっきまで山で戦っていたはずが、田んぼにあちこち家がぽつんと立っている場所だった。
場所を移動されたのか。いや、魔女の空間の中に入ったか。
日差しが浴びているのに、『光』を感じない。
光が届かない空間の中で戦う算段だろう
これはヒマワリの力ではない。
こんな力があれば、最初から使っていた。
もう一人魔女がいる。
それにヒマワリは完全に倒していない。
巻き込まれたのは確実。
『光』が吸収できない中、魔女が二人。状況が不利すぎる。
慎重にいかなければ。
周囲を確認すると、道端に誰かが倒れている。
大きい布を包まれた子供がいた。




