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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇  作者: 白崎詩葉


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スリラーサーカス①

「最近さ。本当に二人きりなかったからさ」

 笑顔のアキセは、木に縛り付けたジャンヌに言う。

「殺す」と殺意を込めて睨み返すジャンヌ。

「付き合ってくれるよな」

 ジャンヌの顔の横に手を当てる。

「何が・・・」

「俺を癒してよ」

「最近。あんた。やられっぱなしだもんね」

 負けずに言い返す。

「じゃあ。付き合ってくれるんだろ」

「断るわあああああああああああああああ!」と腕に力を入れて、自力で縛り付けた縄を破く。

 アキセはすぐに距離を取る。

「もう殺す」

 ジャンヌはロザリオを構える。

「もう少し奪えばよかった」

 アキセが銃を出す。

 パッパラパーン!

 急にラッパの音が鳴る。

 人もなく、森の中でラッパの音が鳴り響く。

「なんだ?」

 顔を上げれば、何かに覆いかぶさり、目の前が真っ黒になった。




 ジャンヌが目を覚ますと、「目を覚めた?」と目の前にいた少年が声をかける。

「え?」

「起きたぁ~」と少年が離れる。

 白化粧に様々な模様を描いた顔。いくつも派手な服を着たピエロたちに囲まれていた。

 ヒトだけでなく、子供、獣人といた。

「起きたぁあ。あはあはあはあは」と一人のピエロが笑い、他のピエロたちも狂うように笑う。

 どう考えても、おかしなことに迷い込んだ。

 天井から光を照らされた以外は暗く、円形の囲まれた柵の中にいた。

 よく見れば、服が赤と黒のドレスに着替え、椅子に座っていた。

 これは。

「ねえ。ねえ見てみて」

 何を。

「へにょへにょ」と顔を崩すピエロ。

 火の玉を投げたり取ったりを繰り返すピエロ。

 腹を大きく膨らむピエロが腹を叩いて、雷の音を鳴らす。

 急に目の前に現れるトカゲのピエロ。

 3人でポーズを決めるネズミのピエロ。

 様々なピエロたちが急に披露している。

 なんなんだ。こいつら。

「笑わない?」と一人のピエロが言う。

 笑えない。もう付き合いきれない。けど、その前に。

「ねえ。いいかな」

「なあに?」と一斉に視線を向くピエロたち。

「誰が着替えさせたの?」

「それ俺!」と一人のピエロが手を上げる。

 バッ。

 すぐに白い炎をピエロに当てる。

「ぶっ殺す」

 ロザリオに白い炎を纏う。

「怒っちゃやーよ」

「冷静にぃいいいい」とピエロがもった長い管から水を放出する。

 思わず背後に避ける。

 ピエロたちの動きが止まる。

「み・・・ずううううううううううううううう」とピエロの首が大きく曲がる。

 しまった。バレたか。

 ピエロたちが笑う。

「みずだああああああああああああああああああああ」

 その時、暗いところから魚の獣人のピエロと水の体をしたピエロが飛び出す。

魚の獣人のピエロは口から水を吐き出す。水のピエロは、水になり突っ込む。

 ロザリオを振ろうとした時、目の前に大きい布が壁のように広げ、水を防ぐ。

「全く」 

 布の壁の前に人がいた。

 見たことがある。

「共演するにしても、場所は考えてほしいものですね」

 その人は布の壁を掴む。

 掴んだ腕を振り、布を払う。

 やっぱり。

「芸がワンパターンすぎますよ。元同僚」

 ジョーカーだった。

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