人の金カード①
「ここから出せええええええええええええええええええええええ!」
カードの中にいるアキセは怒鳴る。
そんなアキセを見る紅孩児とゴクウだった。
「いや~苦労したな」
「こんな簡単に作戦いくとはな」
苦労したように言う紅孩児とゴクウ。
「こいつ。バカでよかったわ!わはははは!」
モヒカンの紅孩児はバカ笑いをする。
「違う!俺はこんなバカにやられたんじゃない!」
数分前・・・現在
「こらぁああああああああああああああ!丸々カットするなぁああああああああああ!」
アキセは怒鳴る。
「テンポを考えろ!」
「読者が混乱するだろ!」
指して言うアキセ。
「しばらく出番なかったからって俺の活躍場を奪うな!」
いつだったか忘れるほどに。
「おまえなんかの活躍見たくないんだって」
「てめえのアホ面を見られなくて残念だ!」
「んだとこら!」
紅孩児が怒鳴る。
「コウガイジはいつまでもその癖治らないんだな」
ゴクウが冷めた目で見る。
「あ!いた」
別の男の声をしたと思えば、奥から魚の魔族のレイガンが現れた。
「急に呼んだと思えば・・・本当に何すんだよ・・・」
レイガンも冷めた目で見る。
「今から飲み会すんだよ」
「「はあ!?」」
アキセとレイガンが同じリアクションをする。
「こんな森の中で、どうやって。酒もねえし」
「今からこのカードで酒を買う」と紅孩児が決め顔でアキセの入ったカードを見せる。
「どういうことだ!」
何を言っている。
「そのクズカスカードはなんだ?」
「今なっつった!」
「このカードに入った者の持ち金を使って、好きな物を買えるという品物。その名も『人の金カード』!」
「ふざけるなああああああああああああああああああああ」
一番に叫んだ。
「酒飲むより、おまえの髪をどうにかした方がいいんじゃないか。モヒカン伸びてるぞ」
ゴクウは紅孩児の髪の心配をする。
紅孩児の髪は、ジャンヌが燃やして以来、部分はげから丸はげ、今はモヒカンと様々な変化が起きている。
「今は、成功した喜びに酒を飲みたい」
「後で後悔しても知らんぞ」
「心配ない。こいつ。これだけ金あるから」
紅孩児は人の金カードを見せる。
三つの枠がある。左にアキセが入っている枠。右には名前枠。下枠には数字が刻んでいる。
「その数字って・・・」
覗き込むレイガン。
「こいつの財産」
「この額って・・・おまえとこと負けてねえぞ」
「どうせ。盗んだ金だろ」
全部じゃないわ。
「一応おまえの家って金持ちだよな」
「なのに!小遣い少ないんだ!」
「まあ。おまえの日頃を考えるとな」
ゴクウとレイガンは冷めた目で言う。
「そのカード。どこで手に入れたんだ?」
「それは・・・」
「フラグを立てるな」とゴクウが口を抑える。
「は~帰る。アマビエが待っているんだ」
「んだよ。俺の誘いを断るのか」
レイガンは歩く。
「だから、てめえらに女ができねんだ」
ガチャと金が落とした音がした。
――何。今の音。
「そんなことを言わずにさ」
紅孩児とゴクウがレイガンを捕まえ、どこから出たのか分からない酒瓶をレイガンの口に入れる。
まさか、先ほどの音は、酒瓶を買った音だろうか。
「飲め飲め。夜叉の酒だぞ!」
「あいつの酒はいいぞ~」
無理やり飲ませる。
「ぶは・・・」
口から酒瓶が離れる。
レイガンの顔が赤くなっている。
「酒だああああああああああああああ」
酔ったレイガンが声を上げる。
「飲むぞおおおおおおおおおおおおおおおお」
「飲め飲め!」
こいつらの酒に付き合わされるのか。




