秋染の魔女④
気がついた時には、壁に押し付け、怖い目つきをするジャンヌに胸倉を掴まれている。よく見れば、ジャンヌの後ろの壁には、いくつも壁に穴が空いていた。
蹴り飛ばされたのか。
「てめえ!よくも騙しやがったな!おい!」
「え!なぜ!」
拘束されているはずでは。
「おい!ジャンヌ!」
穴空いた壁からアキセが出る。
「せっかく助けたんだから、魔女と相手しろよ。こっちは」
「あ“あ”」とジャンヌはガンとアキセににらみつける。
「すみません・・・」
アキセが怖気つく。
「魔女はいつでも殺せるが、裏切った奴はこの手で成敗しないと気が済まないんだ!こっちは!」
だめだ。目が殺意を込めている。聞く耳を持たない。
「そう思うと、魔女と相手している場合じゃないんだ!私の腹の虫を治めるために、撲殺させろ」と拳に殺意を込めたオーラが見える。
「申し訳ございません!ですが!まず話を!」
「うっせぇわ!」
拳が迫ってくる。
顔をそらす。拳はその横に壁に当たり、ヒビが入る。
「避けるな!」
「死にますって!」
「そう言ってる奴は不思議と死なないから、受け入れろ!」
「それでも死にますって!」
目の前に羽の刃が通る。
飛んできた先を見る。
「ちょっと!彼から離れなさい!暴力野蛮女!」
顔の頬が赤くなっている魔女が来た。
おそらく殴られたようだ。
魔女は大きく手を振り、枯れ葉が迫ってくる。
胸倉をさらに強く掴まれ、「はい!どうぞ!」とジャンヌに投げられる。
「ああああああ」
枯れ葉に体を刻まれ、その場で倒れる。
「ああ!」
魔女も驚いている。
ジャンヌはロザリオを握り、飛び出していく。
魔女は手を大きなかぎ爪に変わり、ジャンヌのロザリオを受け止める。
「よくも彼を!」
「うっせぇわ!魔女もろどもぶっ殺す!」
「秋染の魔女ラ・レチューサがさせない!」
聖女と魔女が戦う。




