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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇  作者: 白崎詩葉


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宣伝する方法④

「そうだ。おまえを差し出して死ねば終わるよ」

「却下!」

「早く解放したいんだろ」

「そういう意味じゃない!」

 ジャンヌがアキセの腕を掴み、無理やり引きずる。

「やあ。シャルロット」

 目を丸くしているシャルロットと目が合う。

 ガブ。

 アキセはトランクケースの口に頭を挟んで気絶していた。

「あら、こんなところで偶然ですわね」

「まあいろいろと」

 同席する。

「そもそもどうしてここに」

「面白い本があると訊いてきたんです」

「その本って・・・」

「これです」

 シャルロッテは本を出す。ルシアがかけた本だろう。なぜか黒いオーラで淀んでいる。

「よくこれで読めたね・・・」

「まあ。この本の人物が誰かと似ているんですよね」

 そうか。アキセが急に叫んだのは、シャルロットがアキセを思い出して、殺意がアキセの頭に直接届いているってことだろうか。

「この本はどこで?」

「落ちていたので。本は貴重なのに。捨てるなんてもったいない」

「そうなの。てか、あんたもそっちに興味あるんだ」

「そこまではないですけど、内容は気になるので」

「へ~」

「偏見は持ってはいけませんよ。読んでいるからって」

「そうね・・・」

 軽く注意された。

「この本、なにかあるのですか」

「簡単に言うとこいつも関わっていることで」

 ジャンヌは親指を立てて、気絶しているアキセに指す。

「あらそうなの。苦しんでいるならそのままでも構いませんが」

 やっぱりその答えになるか。

「いや。分かるんだけど。私の知り合いが巻き込まれて、一人」

「あらそうですの」

「だから、悩んでいるの。助けてあげたいけど、簡単にはいかないから」

「それって、このクズも助かることになるんですか」

「そう」

 ジャンヌは頭を抱える。

「そうですね。どちらの方がリスク高いですか」

 その発言で決めた。

「見捨てるか」

「話が違う!」

 ルシアが横から怒鳴る。

 ルシアが本を取ろうとしたが、シャルロットが本を取り上げる。

「なんですの。人のものを取り上げるなんて」

「それ!そもそも僕のだよ!」とルシアも負けじと言う。

「捨てておいてよく言えますね」

 どっちもどっちなんだけど。

 シャルロットも魔女相手に動じない。

「返して!」

 ルシアが飛び出す。シャルロットの手から本が消え、素通りしてしまう。おそらく本は、武器庫であるトランクケースの中にある。

「では、私はこれで」とシャルロットが立ち上がる。

「本は?」

「私が大事にお預かりしますので」と笑顔で返される。

 あ~返さない気満々だ。

「トランクちゃん」

 シャルロットがトランクケースに声かける。

 トランクケースがガタガタとアキセの首をくわえたまま動いている。苦しんでいるようだった。

 アキセと本を吐き出す。

 それほどまでにあの本が毒なのか。

 アキセが起きる。すかさず本を取ろうとするが、本の手前に銃弾が当たる。

 アキセが青ざめてみる。

「抹殺」

 シャルロットは、銃をアキセに向けていた。

「マズ!」

 アキセは逃げる。

 シャルロットはアキセと相手することになった。

 この隙に逃げようかと思ったが、後ろから腕を上げられる。誰かと思って見れば、レオンだった。

「レオン!」

「ごめん。ジャンヌさん!これだけは!これだけは!」

 レオンは必死さが伝わるほどに力強く抑える。前からルシアが突進し、ジャンヌを倒し、その上に乗る。

「燃やしてよ!」

 いつの間にかルシアが本を持っていた。

「断る!」

「やってよ!」

 本が迫ってくる。

 本当だったら、いますぐにルシアを燃やしてやりたいところだか、タタリをかかった本と一緒に燃えてしまうことになる。レオンは自由になってうれしいが、アキセはこのままタタリにかかってほしい。苦しめてほしい。そのためにはもうレオンを犠牲するしかない。そのことも分かっているから倒れていてもレオンは解放させてくれない。

 本当に嫌だ!叫びたいほどに。

 その時だった。

 ドンと落ちた音がした。

 それはイーグスが着地した音だった。

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