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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇  作者: 白崎詩葉


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自己解決したい末路②

「あ~いい」

 嫌そうな顔をするアニエスの膝の上にアキセが寝ころび、ジャンヌはアキセにブドウを一つずつあげている。

 どうしてこんなことに。現実から離れたいほどに。

 突然アキセが現れ、肩に触った途端にアキセへの攻撃ができなくなった。

 もうわかり切っている。聖女に効いているからコルンの発明品を使っているということ。

 反抗しようとするが、主導権を握られたからと何もできない。それに聖女の力も封じられた。

 もう何もできない。

 服も勝手に胸までの薄いドレスに着せられた。アキセに連れてこられたと思ったら、アニエスも同じ格好でいた。

この現状になってしまった。 

 クソ。絶対に後で懲らしめる。

「アニエスちゃん。緊張しているのかな?」

「いや・・・」

 アニエスの膝が小刻みに揺れている。

「ほら。リラックスリラックス」

 アキセはアニエスの胸を触る。

「う!」

「そう。その顔いいぞ」

 魔女はともかくして、アキセの行動がもうサイテ。

 よく見れば、見ない指輪が二つつけてある。もしかしてあの指輪が主導権を握られている発明品かもしれない。

「ちょっと飽きたな」

 アキセと目が合う。

 もういやな予感。

「ジャンヌ。そのブドウ。直接口でやってくれない」とアキセは指を口に指す。

「いや!」

 全力で拒否。

「分かった。別な方法にする」

 ジャンヌの腕を掴み、胸へと寄せられる。

「じっとしていろよ」

 体が動かなくなった。これもコルンの発明品の力だろう。

アキセは口にブドウをくわえる。その口が徐々に近づく。

 まさかのキス。

 アキセから離れようにも体が動かない。

 絶対あとで殴り殺してやる。

 アキセが止まり、ブドウは口の中へと消える。

「ち。空気読まないな」



 なんだ。この状況。

 イルは遠くで見ていた。

湖の辺でゆったりしているアキセと嫌がるジャンヌとアニエス。

 一応二人とも魔女と聖女だよな。

 アニエスはともかく、ジャンヌもなぜアキセに引っかかる。

 おそらくコルンの発明品で聖女の力が使えないところだろう。だとしても簡単に引っかかるな。早く二人を助けよう。

 足を一歩踏み出した瞬間、いつの間にかジャンヌたちの前に立っていた。転送されたようだ。

 ジャンヌとアニエスはきょとんとする。

「イル?」とジャンヌは首をかしげる。アニエスは顔を赤くして視線をそらす。

 アキセは余裕ぶった態度をとる。何かしてかす前に片付ける。

「やっぱ来たか!」

 即座に精霊術を使う。アキセの背中から土に穴を空け、体を土に埋め、頭だけ残す。

「え!」

 アキセの顔にイルが踏む。

「解放しろ」

「臭い足をどけ」

「二人を解放しろ」

「二人?」とジャンヌはかしげる。

「いやだ」

「やれ」

「断る!」

 アキセは消える。

「あいつ!」

 すぐにアキセを探すが。

 ゴキ!

 急激に痛みがする。しかも股間に。

「あ・・・・」

 この痛みはなんだ。

 握られているように痛い。潰れていくようで痛い。ジーンとしびれる。キーンと冷える。ぼあっと熱くなる。様々な痛みが一か所に集まっているようだった。

 イルは股間を抑えながら、縮こまる。

「イル!」とジャンヌが駆け寄ろうとしたが、「ちょい待ち」とアキセが背後から腕をジャンヌとアニエスの肩に置く。

 いつの間に。

「おま!」

「イル様に何をしたんですか!」

「「ん?」」

 ジャンヌとアキセは一斉にアニエスに視線を向く。

「ちょっと待って。今イル様って」

 今聞く話ではない。

「なんで気にするのかな~」とアキセは訊く。

「それは・・・」

 アニエスは顔を赤くして顔を逸らす。

「まあ。それはあとでゆっくり訊くとして。なぜ、あいつが、あ~なったが教えようか」

 陽気なアキセに腹立たしさが増す。

「じゃ~ん!」

アキセは何もないところから銃を出す。文字や記号を刻んでいる銃だった。

「こかんあてじゅ~う~」

「なんつーものを作ったのよ!」

「下品です!」

「殺す!」

 一気に3人の突っ込みが入った。

「この銃に当たった男は自動的に男の急所に当たるという優れものなのだ」

「殴り殺す!」とイルは苦しみながらも怒鳴る。

 ジャンヌとアニエスは冷たい視線を送る。

「なんか、俺ばっかり当たってるような気がするんだよな~」

「知らん!」とジャンヌは言う。

「それだと不公平だろ。だから平等に俺の痛みを分かち合おうと作ったんだ。ちなみに気絶して起きても続くようにした」

「この!」

 だめだ。今すぐに殴りたいが、あまりにもの痛みで動けない。

 だか、口は動く。精霊術で股間を当ててやる。詩おうとするが、光る紐が口を縛られる。これでは口が開けられない。精霊術が使えない。

 よく見れば、アキセの指に指飾りがつけていた。

「最近ストレスたまっているんだ。邪魔すんな」

「そうだった。前回、男とやったものね」とジャンヌは冷たい視線を送る。

 経緯は知らないが、いい気味だ。

「男と・・・破廉恥!」とアニエスは顔を赤らめて言う。

「分かった。やったことを二人に体験しようか」

 アキセは、ジャンヌとアニエスの胸を触る。

「「う!」」

「ん~やっぱりアニエスちゃんの方が胸大きいか」

 いやらしく触っている。

「触るな!」

「やめて・・・ください・・・」

「ふががが!」

「さあ。3人でゆっくりしようか」

 その時だった。

 湖から大きく揺れている。

「ぱー」

 幼児のような声をだし、水と同化したような体をもつ巨大なウーパールーパーが湖から飛び出す。

「みつけたー」

 長い舌を出し、ジャンヌ、アニエス、アキセを絡める。

「「「え?」」」

 そのままウーパールーパーの口の中へと入る。

「ぱく」

 ウーパールーパーはそのまま湖の中へと戻る。

 追いかけなくてはいけないのに、股間が痛くてそのまま意識を失う。

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