危険な二人⑤
契約しているからどこにあるのかも分かる。
アキセは隠し持っていた杖を取り出し、指輪を奪ったクマのぬいぐるみを追いかける。
「見つけた!」
コルンの声。
振り向けば、目の前に鎧の拳が迫ってくる。
記号を描き、拳にぶつける。小さな風を生み出し、軽く吹き飛ばされる。攻撃したわけではなく、距離を取るため。
拳はそのまま地面にぶつける。
杖一本では戦えない。すぐに逃げる。
「おとなしく死ねよ。常習盗人が!」
鎧が迫ってくる。
死んでたまるか。
境界線までに行けば、穴空けて逃げる方が楽だが、コルンは見逃さない。魔術で攻撃しようにも、コルンのことだから魔術対策はしているはず。
そうだ。
記号を描き、地面に落とす。あの記号は、大量の水を発生させるだけだが、その水を地面の中に入れ、泥に変えさせる。
「うわ!」
足にはまった。
鎧は足を抜けることもできず、そのまま倒れる。
杖を通して長い鞭を作り、鎧の周辺の木を切る。切った木は鎧の方へと倒れる。
あんまり時間稼ぎにならないが、ないよりはマシだった。その隙に指輪を取り戻す。指輪の気配が近い。この先にいる。
クマのぬいぐるみが見えた。あの使い魔が指輪を持っている。
杖を振ろうとしたが、気配を感じる。咄嗟に後ろに下がれば、弾が無数に飛んできた。
あのままいたらハチの巣になっていた。
誘うためにわざと姿を出たか。
背後にもクマのぬいぐるみが銃を構えて撃つ。しかもあれ。ロケットランチャー。でも頂き。
杖で記号を描き、弾の向きを変える。その先は指輪を持っているクマのぬいぐるみに向ける。クマのぬいぐるみとぶつかり、爆発する。指輪は弾き飛ぶ。杖を鞭として伸ばし、指輪に通す。そのまま指輪を手元にまで引っ張る。
その時、泥ついた鎧がきた。
「よくもボウくん45号を汚したな!」
――そんな名前だったのか。
指輪さえ取り戻せば。
その時、ジャンヌが吹っ飛んでくる。
「え?!」
そのままぶつかり、木にぶつかる。
「イテテ。なんで吹っ飛ばされるんだ」
「それ以上訊いたら、殴るぞ」と膝の上でジャンヌは言う。
その時、ボウくんの指先から何かが発射される。
弾は大きい網へと変わり、アキセとジャンヌを包み込む。網から電気が流れる。
「う!」
体中がしびれて動けない。
「なんであんたと・・・」
「今言う?」
クマのぬいぐるみたちに銃を向けられる。
「やっと捕まえた!」
ペルチェも来てしまった。




