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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇  作者: 白崎詩葉


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豪火の魔女④

 走り出していたジャンヌとアキセ、トールは、森の中で隠れていた。

「とりあえず逃げ切ったか」

 まだジャンヌを握っているアキセの手をトールが払う。トールがジャンヌをかばうように前に立ち、アキセににらみつける。

「おいおい。こんな状況で何しているんだ。トール君」

 アキセが煽るように言う。

「まず、彼女から離れろ!」

「え~」

 アキセは抜けるような声を出す。

「あと状況確認だ。俺たちは魔女に追われている。それでおまえは、魔術師。そして、この状況を抜け出すには、おまえと協力するしかないってところか」

「おう、賢いね。さすが医者なだけある」

「茶化すな!」

 トールがアキセに言う。

「魔術師で倒せないのか」

「あのな!相手は魔女だぞ。人間一人で倒せるものか」

 アキセは胸元からエンジェライトを取り出す。

「それって」とトールが問いかける。

 トールの家の中で見た宝石だった。

「もう少し見たかったか、仕方がねえ。ジャンヌの力と記憶を取り戻すしかない!」

 アキセがジャンヌに手を伸ばそうとしたが。

「ちょっと待て!」

 トールが止める。

「なんだよ」

「彼女の意思を無視して勝手なことをするな」

「はあ?こんなところで意思確認している場合か!どう考えても記憶を取り戻すしかないだろ」

「だからって!彼女は!」

 トールとアキセの喧嘩を始まってしまう。

 魔女が襲われているというのに。

 止まる勢いがないので、

「ちょっと、二人とも!」

 ジャンヌが割り込もうとしたが、奥から火の鳥が向かってくる。

「危ない!」

 ジャンヌは咄嗟にアキセを押しだす。その上で火の鳥が通り過ぎたのだ。

 危うくアキセの腕を襲い掛かるところだった。

アキセが倒れた衝動で、エンジェライトを落としてしまう。

「ヤバ!」

 火の鳥がエンジェライトを触れたとたん、火の鳥は消えてしまう。

「やっぱり、エンジェライトか」

 離れたところに魔女が現れる。

 アキセが銃を取り出すが、魔女は目を細める。

 突然、アキセの両手に炎が燃えていた。

「うわああああああああ」

 燃えた痛みが走り、銃を落とす。

 記号を刻んだ宝石が目の前に現れ、アキセはその宝石を押したとたんに水が現れる

 両手に付いた炎を消す。

アキセは冷や汗をかき、息も上がっている。

「おい!おまえ、手が!」

「だまってろ!いちいち口にするな!」

 アキセは、トールに向かって怒鳴る。

「あら、それなりに熱かったと思ったけど、よく冷静でいられたわね。関心しちゃったわ」

 魔女はアキセの困惑した様子を見て、さらに煽って言う。

「そりゃ・・・どうも・・・」

 アキセの手に火傷を負う。

「これで術が使えなくなったわ。じっくりと煮込んでいこうかしら」

 魔女は悪意ある目で見つめる。

 どう見ても、危機的状況にいる。このままでは殺されてしまう。

 聖女は、魔女を倒せる唯一の存在。アキセの真実が本当だとしたら。

「トールさん。私があのエンジェライトを取れば、なんとかなるんですよね」

「ジャンヌさん、何を・・・」

 ジャンヌは立ち上がり、走り出す。

「おい、バカ!離れるな!」

 アキセはジャンヌに呼び止めるが、ジャンヌは止まらなかった。

 ジャンヌは、エンジェライトに向かって走り出す。

「させるが」

 魔女は手を振り、火の鳥を向ける。

 ジャンヌは振りかえをせず、走り出す。

 エンジェライトまであと一歩で届くところで飛び込み、エンジェライトを掴む。

 そこに火の鳥が襲いかかる。



「ジャンヌさん!」

 トールは叫ぶが、ジャンヌは炎に包まれている。

「死んだか」

 落ち込むところが、楽しむものが減った悲しみを浸そうとした時だった。

「あいたー」

アキセの額に石を当てられ、衝撃が走る。

「勝手に殺すなー」

 ジャンヌの声にその場にいる者が驚く。

 ジャンヌを包まれていた炎が白い炎により広げられ、ジャンヌの姿を見せる。

 とても見覚えがある。魔女を退治する目つきの悪いジャンヌだった。

「どうやら、思い出したようね」

 魔女は見下ろす。

「ああ、思い出したぞ。ごうかの魔女のトゥルーデ・イグニス!」

 ジャンヌは、魔女の名を叫ぶ。


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