表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/734

10月31日①

 日が南より傾いた頃、ジャンヌは森の中を歩いていた。

 そういえば、今日は10月31日だった。

 この日は町に入ってはいけない。

「今夜も野宿か。久しぶりに町でゆっくり休みたいのにな」

 このところ野宿が続いており、疲れがたまっていた。宿のあるベッドでゆっくり眠り、疲れを取りたいと思いながら森から抜けた。

 その先は、霧で先が全く見えないほどの濃さだった。昼までに霧が発生するものだろうか。

 その時だった。

 ジャンヌを囲むように黒い物体が現れた。

 コウモリのような顔にトカゲのような体格。腕に翼をつけ、2本足で立っている獣。『呪い』により魔族(アビス)化したコウモリの魔獣(モンスター)。カゲロウだった。

 カゲロウは、魔獣(モンスター)には珍しくパンチや蹴りといった格闘技を使う。夜行性であり、特に日の『光』の抗体が低いので日中から現れない。

 そんな魔獣(モンスター)が昼間から出でいる。

魔女ほど苦戦はしない。遠慮なく白い炎を放つ。カゲロウが白い炎に消えるが、次々にカゲロウが出現する。いくら浄化してもカゲロウが懲りずにジャンヌを襲う。魔獣(モンスター)にしてはしぶとい。

その時、目の前に町の門だけが、ジャンヌを出迎えるように立っていた。

「門?!まさか!」

 門が開いた。

おそらくカゲロウは魔女に操られている。

 今日はあの日。町に入れさせるつもりだ。魔女の想い通りにはさせない。

 ジャンヌは門から離れるが、カゲロウがジャンヌに突進する。咄嗟に腕を出してガートし、カゲロウの攻撃を防ぐが、その勢いで背後へ飛んでしまう。

 門はジャンヌを吸い込むように中へと入る。



「たく~あのカゲロウめ。殺す」

 ジャンヌはカゲロウに飛ばされ、少し切れ気味で起き上がる。

「どこ?」

 ジャンヌは見回たせば、町の中にいた。

 周辺には町なんてなかった。あの門で転送されただろうか。

 周囲を確かめる。

 家のあちこちにランタンやレースなどで飾り付け、カボチャやカブに穴を空け、人の顔を想わせる作りで置物として家の前に設置している。

 子供たちは、オバケや獣などに変装をして、家を回り、お菓子をもらっている。

 どうやら祭りで騒いでいるようだ。

「罠にはまっちゃった」

 大きくため息をした時だった。

「なんだ、おまえも来ていたのか」

 聞いたことがある声でジャンヌは振り返る。

 黒い髪と目の優男。黒いロングコートで全体的に黒を基調とした服。中指に指輪がつけている。アキセ・リーガンが立っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ