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現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)の狭間

作者: 通りすがりの厨二病
掲載日:2018/01/05

明晰夢を文字に起こしてみました。

 快晴だった。

 雲一つ無い空を仰ぎ、二人の少女はあどけなく笑う。

 ここは……田園だ。辺り一面、遮るものもない、ただただ田んぼが広がる光景。


「ここにいる私は、本当に私なのかな?」


「はは、量子力学って怖いねぇ」


 何を言っているか、何が言いたいかは掴めない。

 田んぼには、脚が八本生えた、蜂とも蜘蛛ともてとれない、何とも奇怪な生物が羽音を青空に響かせていた。

 ふと、近くの民間から、幼少の頃から苛めてくる少年が現れる。


「あっ」


「気付いたね」


 あちらは少女達を認知したようで、にたにたと下卑た笑みを浮かべながら、早足でこちらに向かってくる。


「まずいね」


「山に登ろうか」


 逃げる、逃げる。

 後ろは見ない。が、恐らく少年もそろそろ諦めるだろう。

 しかし、何故か自分は山を降りる選択はしない。したくない。

 少女たちは己の限界? いや、自存? それをぼんやりと考え、無言で山をかけ上がっていく。

 その仮の逃避劇は思ったよりも早く終幕を迎えた。 


「なんだろ……これ」




「壁かな? 土っぽいねぇ」


 恐らく土で出来ているだろう、目測でも相当な高さがあると見てとれる壁が道を塞いでいた。


「うーん」


「あ、見て、動いてる」


 少女が指差したのは、土の中に埋もれていたコンクリート。確かに、震え動いているように見えた。

 それは遂に土の戒めをとき、中身を露見させる。




 美しい少女だった。しかし、同時に儚くもあった。




「あっ」少女が声を上げる。


「どうしたの?」


 ふふ、と何が可笑しいのか、その美貌に笑みを浮かべ、


「これ、私だ」


 きょとん、とする少女。しかし、すぐに傍らの少女に勝つとも劣らん美貌を歪め、笑った。



 日は西に傾いていた。少女達は顔を見合せ、頷き合い、笑い合う。


「帰ろっか」




「そうだね」


 少女は、どこから取り出したか木の棒を振り、来た道を引き返していく。


 全てが朧気になっていく。






 ………………………………快晴だった。

 お楽しみいただけましたか?


「訳が分からない」と感想を抱いた方はそれが正常だと思います。

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