最後の朝
日葉が、様々な武器を生成する。
織音はその形を真似て生成する。
「想像では出来ないけど、一度形を見ておけば生成は出来る……か、面白いね」
雪音は兄妹のやり方に感心しながら見続ける。
「日葉、銃を」
「はい」
日葉がマスケット銃を生成する。
織音は瞬時に日葉を見て認識し、自分の手に生成する。
「――って、なんじゃこりぁー!」
織音はマスケット銃を地面に叩きつける。
「どうしたんですか」
「どうしたんですか?じゃない!こんな単発専用でリロードに時間かかるものが使えるかー!」
「撃ったらまた一本生成してください。それでリロードは短縮されます」
「そのために俺はどれだけ寿命を削ったらいいんだ」
「……あっ」
「あっ、て」
宵と戦う前の恥ずかしいあれは何だったんだ。魔術で俺を自殺させようとしてるじゃねーか……。
織音はそんなことを事を思いながら大きなため息を一つ。
「お主ら、何をしておるんじゃ」
宵が頭を抱える。
「では、お兄ちゃん。これを」
日葉の手には弓があった。
織音は無言で叩き落す。
「何するんですか」
「……日葉。夢だから代償はいらないけど現実で俺がやったら矢を生成してる時に死んじゃうんですけどぉ」
「ごめんなさい、ふざけました」
「知ってるよ!」
日葉は今までで一番いい顔をしている。先ほど気持ちを織音にぶつけた事が原因だ。しかし、緊張感が欠けている。
「主……」
「分かっています。では改めて」
宵の呆れと危機感が混ざった声で、日葉は深呼吸をして落ち着く。
生成したその手には、大きめの斧があった。
織音がまたふざけているのだと思っていると、日葉が説明を始める。
「お兄ちゃんに長距離武器は無理だと判断しました。ですので短距離武器で私がネットで見たことある物を全て生成します。そのどれかを極めてみてください」
「雪、それには私も賛成だ」
織音は、仕方なく二人の案に乗った。
織音は自分で日葉の生成した斧を生成する。
そこから、剣や刀、槍、トゲが付いた鉄球を振り回すモーニングスター、ショーテルという特殊な剣と、多くの短距離武器を生成し使った。
「本気で切り傷一つか、なかなかに力がついておるな」
「そりゃ……どうも」
宵は、左腕から他を流していた。
織音と日葉は地面に座り込んでいた。
「十分であろう。それだけあればもし戦う事になっても負ける事は無かろう。今日は夜まで休むとよい」
その宵の言葉で付帯は夢から覚める。
織音はすぐに時計を見る。
「って十二時じゃねーか。休めって時間があんまりないな」
文句を言いながらも、体を起こしリビングに向かった。
「おはようございます。というよりこんにちは、ですかね」
日葉が微笑みながら挨拶をする。
「そうだな」
日葉はソファーに座りテレビを見ている。その隣に織音は座った。
「お昼どうする?」
「宵が今一人でチャレンジしたいと言っていたのでやらせてます」
「そっか。……宵、期待してるぞ」
「覚悟しておれ」
織音がキッチンの方を向いて宵を応援すると、彼女は笑った。ただ織音にとってその笑顔には不安しかなかった。




