第28話 『 〝魔将十絵〟 』
「 さて、紅茶は全員に回ったかい 」
……僕はソファーに腰掛け、同室する同胞を見渡した。
侍女であるドロシー=ローレンスは紅茶を人数分並べ、すぐに退席した為、ここにはいない。
ここには僕とアークと十名の同胞しかいない。
「それじゃあ、僕の計画を話そうか」
ここは魔王城の地下一階にある談話室であり、僕はこの魔王城の城主――〝白絵〟だ。
「準備はいいかい?」
この談話室には限られた者しか入ることを許されていない。
……一つは僕に忠誠を誓う者。
……もう一つは――強い者。
そして、ここにいるアークと十名の同胞はその条件を満たした者たちである。
――〝紙刃〟の〝糸氏〟。
――〝写火〟の〝水由〟。
――〝水神〟の〝水〟。
――〝氷神〟の〝彩。
――〝楽園〟の〝暮四〟。
――〝希釈〟の〝渡照〟。
――〝創世〟の〝竹聿〟。
――〝封世〟の〝額〟。
――〝絶防〟の〝鉛〟。
――〝幻影〟の〝黒土〟。
「 〝魔将十絵〟 」
――この僕が選別した。十人の精鋭だ。
「この五大大陸には四名の最強の魔導師――〝四大賢者〟がいるそうだ」
まあ、僕からすれば取るに足らない存在だが。
「他にも最凶の盗賊集団――〝KOSMOS〟」
だが、そんなことはどうだっていい。
「〝七つの大罪〟とかいう大罪人もいるとか」
……これはただの暇潰しだ。
「 殺せ 」
……暇潰しに合理性は要らない。
「 一人残らず、ね♪ 」
……さあ、遊戯の始まりだ。