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  第12話 『 極黒の侵略者 』



 「 〝異能キ 〟、オーバーロック……! 」



 ……それは力の解放。




  ブラ  ック  の    イン  




 ……俺の〝取って置き〟だ。


 『……』

 「……」


 ……訪れたのは沈黙であった。


 『omae baka』


 〝ファイアゴーレム〟が俺を指差して嗤った。


 『omae yowai』


 ……嗤う。


 『omae kawattenai』


 ……嗤う。


 「お前、まだわからないのか?」


 ……俺も嗤う。


 「お前と俺の力の差が」


 〝FG〟から笑みが消える。


 「俺がお前より遥かに強いという真実に気がついていないのか?」


 〝FG〟が恐る恐る俺の頭上を注視する。


 『……………………bakana』


 ……そして、驚愕した。


 「やっと気づいたか」


 〝FG〟の驚愕の理由――それは俺の頭上にあった。

 俺のレベルに変化があったのだ。

 それも、Lv.1やLv.2なんて小さな変化じゃない。

 そう、俺のレベルは――……。



    Lv. 5 1 0 0



 ……Lv.100の〝FG〟を遥かに凌駕していた。


 「俺の〝特異能力〟は〝極黒の侵略者〟」


 俺は〝スピリット・オブ・クラウン〟 を構えて、堂々と宣告した。


 「傷つけられれば傷つけられるほどに強くなる力だ……!」

 『……!?』


 〝FG〟が絶句した。しかし、すぐに反論する。


 『arienai』

 「……」

 『arienai』

 「ははっ」

 『……………………』


 ――ブンッ!


 『naniga okasii……!』


 ……〝FG〟がその豪腕を地面に叩きつけた。



  デザ  ート  マッチ  レス



 ……そして、今回は間髪容れずに地面から幾千の武器を型どった砂の刃が飛び出した。


 「 焦ったな 」


 ――斬撃一閃。〝砂漠無双〟を掻い潜った俺の放った斬激が〝FG〟の右腕を切断した。


 「そんな迷いだらけの攻撃じゃ俺は殺れないな」

 『……』


 ……ドシンッ、〝FG〟の巨大な右腕が地に落ちた。


 『……arienai』


 〝FG〟は言葉通り自身の状況に驚愕していた。


 『arienai……!』


 そして、その驚愕・戸惑いを振り払うように俺に拳を突き出した。


 ――地面を揺るがすほどの一撃が炸裂した。


 「もう、忘れたのか?」


 ……しかし、〝FG〟の攻撃は俺には届いていなかった。


 「ただの拳撃は俺には届かない……ましてや、そんな迷いだらけの拳じゃ絶対にな」


 俺は〝FG〟の突き出した左腕の上を駆け抜け、一挙に〝FG〟の眼前まで接近した。


 「 堕ちろ 」



    ごく    と  し  



 ――炸裂。〝FG〟はもの凄い勢いで地面に叩きつけられた。


 「諦めろ、この勝負俺がもらった」

 『……』


 俺の挑発に〝FG〟は沈黙していた。


 「それが認められないってんなら掛かってきな」


 『……』


 「全力で叩き潰して格の違いを教えてやるよ」


 『……………………iya……da』


 ……………………。

 …………。

 ……。


 ――ドッッッッッッ……! 〝FG〟が俺目指して飛び出した。


 『iyadaaaaaaaa……!』


 〝FG〟が咆哮しながら俺に豪腕を振り下ろした。


 「そうか、じゃあ宣言通り」



 ……格の違いを教えてやる。



 「 りゅうしんけんりゅうばっとうおう 」


 俺は一度〝SOC〟を納刀して、抜刀の構えをした。


 ――〝FG〟の拳が俺に到達するまで残り――十メートル。


 ……ギュッ! 柄を力強く握った。


 ――〝FG〟の拳が俺に到達するまで残り――五メートル。


 ……ギシッ! 右足に力を込めた。


 ――〝FG〟の拳が俺に到達するまで残り――一メートル!


 ……そして。




  てん  じょう  てん  


          いち  じょう




挿絵(By みてみん)



 ――超 炸 裂 ! 〝FG〟が一刀両断された。


 「ありがとな、〝FG〟」


 ……〝FG〟が崩れ落ちる。


 「お前のお陰で俺は更に強くなれた……!」



 ……チンッ、俺は〝SOC〟を納刀した。


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