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青春日記  作者: 小口袖
1/2

出逢い

分からない。


僕には恋というものが分からない。


あるいは分かろうとしていないだけだったのかもしれない。

僕は長年そんな適当な生活を送ってきた。

だが僕は高校2年の夏にそんな生活とはおさらばしている。

これから先の頁では僕が今の僕らしくある為に、どんな過程を踏んできたのかを長々と語るつもりだ。

丁度運のいいことに僕はその頃に日記をつけていた。それを参考にする。いや、参考にするだけであって日記を公開したりなんて愚かな真似はしないから期待はしないでくれ。

まぁそんな感じだから人の生活を覗き見るなんてのが趣味でもない限りさほど楽しめないかも知れない。

でも僕は語る。これは君達の為でもなく、僕の為でもない。

「彼女」に送るメッセージだ。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


7/24

夏休みの初日、僕は学校の図書館に来ていた。

その日は年一番の猛暑日で、さんさんと照りつける太陽がアスファルトに熱を持たせ影にいても熱中症で倒れそうになるような、うんざりする暑さに覆われていた。

普段ならこんな日、更に夏休みであるというのに学校など行きたくもないものだが、図書館だけは話が別である。

増大な量の本を誇らしく掲げる棚に囲まれ、自分だけの時間を過ごせる。さらに冷房付きと来たもんだ。来ない理由がない。

僕が夏休み前に目をつけていた本を、シリーズ単位で棚からごっそりと抜き取り、僕の特等席であるいつもの場所に座って一息つく。

そしていよいよ読み始めようとした時に突然声をかけられた。

「ねぇ!君何で夏休みなんかに図書館来てんの?」

何も考えてなさそうな高い声にムカッときて声の方向も見ずに僕は「今から本を読もうとしているんだ。話しかけないでくれ」と言い放った。

それだというのにソイツは「あっはぁ!君、もしかして友達いないでしょ?ね?当たりでしょ?」などと意味のわからない事を言い始めた。

まぁ友達がいないのも事実であるが夏休みに図書館に本を読みに来ただけでそう言われるのは心外だ。

僕は本を読むのを一旦諦め、一言言ってやろうと声の方向を向く。するとその声の主は嬉しそうに

「あっ!やっとコッチ向いてくれた。私、朝霧董香(あさぎり とうか)、よろしくね!私達、今日から友達だからね♪」

コレが僕の人生を大きく変えてくれた親友と僕の最初の出逢いであった。

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