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影か悪夢か屍か
ほどなくして、私達は街へと戻ってきた。
電灯もない夜景の中、街もひっそりとしている。
穏やかな灯火がいくつかの建物の前に掛かっている。
そういえば、ざっくりとした私の認識では、
こういう街は四方が壁で覆われているもの
かと思ったが、ここの街にそういうものは無く、
目印なのか、幼稚園児程の背丈の石像、のようなもの
が街を囲むように置かれていただけだった。
その石像を越えていざ街に入るかいなやという地点で
私達は止まった。
石像をたてに三つ、横に二つ並べた長方形くらいの、
がたいをした、比較的大きな大男が立っていた。
彼女は馬を降りて、言葉を交わすよりも早く
男とアイコンタクトを行い、
男は男からみて一番手前の馬車に乗り込んだ。
あの馬車には、たしか剣だけが積んであったはずだ。
剣を持ったときを思い出したが、
思っていたよりも軽く、意外と柄の部分が重いことも
思い出した。




