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その目から崇高な希望を奪ったメァーナス
彼女を先頭とした馬群が森の中へと消えた。
よく飼い慣らされた、と思うと同時に、
彼女が御している事も大きく影響しているのだろう、
と感じるほどに彼女の挙動は静的であり、
細やかであった。
馬と共に私達は行きを潜め、
辺りを慎重に伺った。
森の外は荒野と言っていいくらいの
草と石の大地が広がっている。
街を中間点にした遥か遠くにゆっくりと動く、
狐火のような炎が列をなしている。
あれは、と尋ねた。
この辺りを拠点とする商隊だろう、と彼女は答えた。
よおく見ると、街に向かっているようだった。
このまま商隊が街に入り終えるのを待つのだな、
と思った矢先、彼女は馬を降りて馬車の中へ入っていった。
「何をしている、早くしろ」
ほぼ真暗闇の中、彼女は手際よく
鎧や剣を数台の馬車に集める。
それでもやはり、重量的な制限はあるわけで、
剣を二つもしくは鎧を一つ運ぶ担当が私で、
荷を綺麗に敷き詰め、たまに荷を積み込む
のが彼女ということに自然になっていった。
日が完全に落ちた頃、
私達は明かりもつけず、静かに街へと帰っていく。
借りてきた馬は馬車を引かず、
元いた馬を取り囲むように夜を走る。
時たま彼女が撫でる馬の頭は、
瘤のように膨らんでいた。




