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ただただ歩こうという意思を誘う貴重な飢餓感

①か③、とどのつまり、私はかろうじて

リアルの中にいる可能性は、どうだろう。


おそらくは中世辺りの街並みであろうと、

この地球のどこかにひっそりとこんな地域

があるのかもしれない。


酒屋の女店員のような格好に着替えた彼女は

外仕度を始める。


私の思案は、ひとまずそれで保留となった。

兎にも角にも、私は彼女との約束を果たし、

彼女から完全に逃げるか、信頼を得るか、

敵対されない関係になるかのどれかを

果たさなければならない。



鎧に身をまとった姿よりかは幾分

似合っている格好だ。ただ、

彼女の容姿が勝り過ぎているようで、

立派な町民っぽいかと言われれば

微妙なところだ。



仕事柄、場当たり的に商いをする事は

苦手ではない。口八丁手八丁では

彼女の足手まといになり得るだろうが、

世の中はそんな典型的な商方だけではない。



日も沈みかけ、街の外に今から出る者は

ほとんどいなかった。

杖を両手に握りしめ、木に寄りかかりながら

座っている老人だけが、外の星を眺めていた。



街外れの納屋に、お世辞にも繁盛している

とは言えない馬貸しから馬を数頭借り、

私と彼女が出会ったあの場所へ向かった。


馬に乗った事はない、と私が言うと、

少し不思議な顔をした後で、

しぶしぶ納得したような面持ちで、

彼女は自身の後ろに私を乗せた。


他の馬は、鎖で繋がれているわけでもないのに

従順に先頭の私達についてくる。


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