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 はじめに!


 この作品はフィクションであり、実在する人物・国・地名・団体などとは一切関係ありません。

 またこの作品には、お子様にはちょっとキツイ残酷描写の他、様々なとんでも要素・超理論・超ご都合主義的な展開などがふんだんに込められており、聡明な読者様閣下殿は突っ込みの絶えないことが大いに予想されます。

 ですが、アホのように駄々漏らすそれをぐっと呑み込んで頂き、ガタガタ言ってねーで黙って読みやがりくださいますよう、謹んでお願い申し上げます。

『八時だよ! 全世界仰天! 無差別バトル・ロワイアル! 略して全バト! はっじまっるよー!』


『帝国民の皆様、こんばんは。全バト、総合司会の脇野周三わきのしゅうぞうです』


『皆さん、こんばんは! 亜蓮あはするいです! さてさて、前回の全バトはHW4521360の世界線の日本! 時代的には江戸後期の九州を舞台とした一戦だったわけですけれど――いやー脇野さん! チームRの後半の大進撃! やばかったですね本当に! もうわたし、興奮しすぎて汗だっくだくでしたよー、下のほうも濡れちゃうくらい!』


『始まって早々下ネタを言わないでください、育ちが知れてしまいますよ。チャンネルを変えられたらどうするんですか』


『えへへ!』


『それで、るいちゃん。今回の全バトは?』


『はい脇野さん! えっとですねー、今回はスタッフの不手際のおかげで東亜の……っていうか舞台となった世界そのものが消えちゃって……全バトをお送りすることができなくなっちゃったんですよ……。あっ、もちろん! そのお馬鹿なスタッフはプレス機に掛けてぺっちゃんこにしましたから! 皆さんゆるしてあげてくださいね! てへっ!』


『えっと、るいちゃん。それはつまり……今回の全バトは無しということでしょうか?』


『はい、残念ながら。楽しみにしてくれている視聴者の皆さんには、本当に申し訳ないと思っています。陳謝します。ごめんちゃい!』


『そんないい加減な謝り方ではいけませんよ、るいちゃん』


『はいはい、すいません。ごめんなさいでーした。……これでいいですか? それで、話を戻しますと――今回の件のお詫びとしまして』


『……お詫びとしまして?』


『お詫びとしまして! 緊急企画! 今回は前回の全バトをハイライトで御送りしようと思いまーす!』


『……それって、大人の事情もあるんでしょうけど、間違いなく手を抜いていると思われちゃいませんか?』


『それを言われちゃうと……何も言えないんですけど……もちろん! そんなことで終わらせるつもりは毛頭ありませんよ脇野さん! 脇野さんは毛根ないですけどね!』


『全国ネットでそんなさっそく私怨を晴らされても困ります』


『毛髪前線後退中! なんと! 局地的にミステリーサークルまでっ!?」


『……るいちゃん? あとで楽屋に呼びますよ?』


『えへへ! 冗談はさておき。今回の全バトが延期というか、中止になっちゃったことで楽しみにしてくれていた視聴者の皆さんは酷く落ち込み、すんごい高いところからお空にフラーイしちゃうかもしれません……。でも、でもですね! 確かに人口増加問題もありますし、社会貢献としてフラーイしちゃうのもいいですけど。それは次回の全バトを見るまで、ちょっとだけ我慢してください! 見終わったら構うことはありません! みんなでどんどん社会貢献しちゃいましょう!』


『それで、次回の全バトがどうかしたんですか?』


『良い質問です脇野さん! 次回の全バトは……なんと!』


『……なんと?』


『な・ん・と! 次回は世界線HW0000116の日本っ! 近い! 近すぎるぅ! その日本全土を舞台とした超大規模な全バトを企画中なのです!』


『日本列島全土ですか! これは規模的には過去最高なのではないでしょうか』


『もちろんです! しかも色々問題があって出来なかった近世の日本ですからねえ! 時期的には21世紀ですから――約100年くらい前でしょうか。帝国がぶいぶいいわせてた全盛期、そこを舞台とした企画を進行中なのです! しかも! しかもですよ? 次回は我が国の独立記念日! それに合わせて賞品も超超超豪華なものを用意しております!』


『超超超豪華ですか。それは期待できますね』


『ふふふ、脇野さん。その期待のさらに上の上をいくものですよ』


『……と、言いますと?』


『……知りたいですか?』


『ええ』


『そんなに知りたいですか?』


『……勿体ぶらずに教えて下さいよ』


『いやー、そこまで言われちゃ仕方ないなあ! ホント脇野さんってば欲しがりさんなんだから! このいやしんぼっ!』


『…………』


『その超超超豪華な優勝賞品とは――な、な、なんとっ! 人類の新天地、残された唯一の楽園! トトゥーリアへの永住権ですッ!』


『まさか! トトゥーリアの!?』


『はい! それも一人ではありません! チーム人数分とか、我が国はそんなケチ臭いことも言いません! 聞いて驚け愚民ども! 優勝チームの所属する地域、県丸ごとその全員分の移住権が勝利したチームに贈呈されます!』


『……なんということですか……もはや絶句、としかいいようがありませんね……。しかも地域全員とは……。流石、やはり懐の大きさが違います。地球に住む全ての人間が欲すること間違いないでしょう。まさに破格、と言ってもいい賞品です』


『そうでしょうとも、そうでしょうとも! では、そんな超超超豪華な賞品ゲットのチャンスをものにした超超超ラッキーな次回全バト出場当選者を発表したいと思いまーす! テレビの前のみんなー? わくわくドキドキしながら親指を咥えて見ててねー!』



追記 8/8 脱字修正しました。

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