降りかかる闇
「次はどれに乗ろう?」
熱心にパンフレットに見入る浩之。
「ちょっと待ってて、すぐ戻って来るから」
そう言って和彦は走って行った。
どこへ行くんだろう? 不思議に思った浩之が、和彦の行く先を見てみると、そこにはポップコーンを売っている台車があった。どうやら和彦はポップコーンを買いに行ってくれたようだ。
「ここからお化け屋敷が近くて、その右にあるのがコーヒーカップで、え~と・・・・・・」
浩之はパンフレットを見ながら、計画を立てることに夢中になっていた。
その時
「うあっ!」
何かの液体が、バシャッと浩之の全身にかかった。驚いて浩之が顔を上げると、そこには見たことも無いおじさんが立っていた。そのおじさんは茶色の帽子を被り、マスクを着けていた。
「えっ! 何?」
浩之には何が起こったのかわからなかった。その時、浩之の全身に、焼けるような痛みが走った。
「あー!」
浩之の悲鳴にも似た叫びを聞いた男は、ニヤリと笑った。
「あああー!」
「パリン」
男は空になった瓶を投げ捨て、走り去った。浩之はその瓶に入っていた何らかの液体をかけられてしまったのだ。
浩之の体は段々と赤くなっていき、浩之は体を必死に掻き毟っている。
「浩之!」
トイレから出てきた延子が、すぐに浩之の異変に気付き、駆け寄って来た。
「どうしたの! こんなに赤い!」
「ああー!」
どんどん変色していく浩之の肌を見て、延子はパニックになっていた。そこへ、ポップコーンを買いに行っていた和彦も戻って来た。
「浩之! 浩之!」
和彦が、真っ赤になった浩之の頭を掴んで何度も揺らした。
「救急車! 救急車!」
延子は鞄から携帯電話を取り出した。
「どうかしましたか?」
観覧車の係をしていた人も寄って来た。だが、このとき浩之の意識は朦朧としていた。 大慌てで救急車を呼ぶ延子。周りには大量のポップコーンが散乱していた。




