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まじかるタイム  作者: 匿名
65/101

第65話:終わりは始まり

最近いつも感想をくれていた方々からの評価感想がご無沙汰で寂しかったりします。

ちなみに新規の方達も、作者の励みになるのでどんどん感想を書いて下さいね!!






しかしやっぱりMHP3は面白いですね(ぇ

今村ラストの終焉を村弓+村小型装備縛りでクリアーしようと頑張ってます。下位でも回避+2を付けられれば行けるんですが……。やっぱり自分では無理なのか………。



………すいません、続きは直ぐに書きます。

「んっ、ふふっ♪ 何だかこの空間だけ隔離凍結させたい感じですね………幸せです♪」


「……みっ、美里、流石にそろそろ起きないと母様が様子を見に来るかも知れん。こんな姿を見られたら事だ。」


「……確かに、危険かも知れませんね。名残惜しいですが、取り敢えず翔さんを起こしましょうか。明かりを付けますよ?」


「………ま、待ってくれ。その前に浴衣を着替えたい。今この格好を見られるのは………凄く、恥ずかしい。」


「………うっ、そ、そうですね、まず着替えましょうか。それと、今気付きましたがこのシーツも何とかしたいです。どうにか秘密裏に片付けられないものでしょうか?」


 …………なんだ……もう朝なのか? この音は……美里と命が着替えてるのかな……。うん、やっぱり命のとはいえ他人の家でいつまでも寝てちゃ駄目だよな。


「………二人共早いな、今何時だ?」


「……っ……しょ、翔さんっ!?」


「こ、こっちを見ちゃ駄目だ!!」


「えっ? ………あー、えーっと……ごめん。」


 翔は二人の様子を見て、後ろを向いてから一時停止した。……ちょっと待て、落ち着け。着替えてるのが分かってるのになにをナチュラルに二人を見ようとしてるんだ? 美里と命は俺の物感覚でいたのか? 最低だな、俺……。


「………わっ、私は翔さんの物だと思ってもらっても………構いませんよ……?」


「………私も、その………だが、やはり着替えを見られるのは、恥ずかしい……。」


「………もしかして……声に出てたか……?」


「………はい……。」


 後ろで真っ赤になって美里と命が頷くのが分かり、何だか翔まで気恥ずかしくなってしまった。とはいえこれは自己責任だ。美里と命は悪くない……。

 暫く無言で気まずい沈黙があった後、二人共着替えが途中な事を思い出して、部屋にまたきぬ擦れの音が立った。


「……その、翔さん。もう大丈夫です……。」


「あ、ああ………ごめん。」


「いえ、そんなっ、顔を上げて下さい!! ………わっ、私も翔さんになら見られても大丈夫になりますからっ!!」


「………私も努力しよう……翔の為だから……な。」


「いや、そんな俺の為に努力してくれなくても今のままで充分だから……。」


 顔を真っ赤にしてそう言ってくれた二人に、翔は変な汗をかきながら同じように赤くなりながらそう返した。

 美里は翔と付き合い始めてから、翔のすることはなんでも受け入れる様な態度だったが、どうやら命にもそれが移ったみたいだ。………翔としては喜んでいいのか迷う所だ………無論、本心は目茶苦茶嬉しいんだけど。


「と、とにかく片付けをしてしまいましょう。………本当なら翔さんが起きる前に終わらせたかったのですが………仕方ありません。」


「片付けって何を………っ……そういう事か。」


「………翔、美里、それについては私が何とかするから翔の着替えが終わったら皆の所へ先に行っててくれ、そろそろ朝食の支度が調う頃だ。皆でここにいては母様が呼びに来てしまう。……もしもシーツがないのがバレたら…………母様の事だ、今日は私の反応を楽しんで遊ぶだろうな……。父様に言ったりはしないだろうが………き、昨日も『あの子好みの女にされて来なさい♪』とか笑顔で言われたし……。」


「い、今更ですが、命ちゃんも両親には苦労されてるんですね……。」


 命が遠い眼をすると、美里が同情とも自分の両親への憂いとも取れるような表情になった。……というか、あの人はそんな事を言ったのか……俺の好みにされてこいって……本当に娘と男を同衾させた上で言ってる分、ある意味俺の爺ちゃんよりも酷いかもしれないな。


「と、とにかくそういう事なら俺達は先に行くか。」


「……そうですね、私が気配の合間を縫って持ち出そうと思っていましたが、私がいなくなったら怪しまれますものね。」


「…………何となく、三人で寝た時点で色々バレてると思うけど……それじゃあ命、後は任せるよ。」


「ああ、私も直ぐに行く………。」


 翔がそういって部屋から出ると美里もそれに続いた。扉が閉まる音を聞き届けた命は、ベッドの方へ顔を向け、少し赤くなって溜息をついたのだった。










「………さて、お世話になりました。」


「いえいえ、こちらこそ命ちゃんがお世話になった様で………ふふふっ、これからも宜しくお願い致します。」


「そうだ。篠原君さえよければ、後日式の打ち合わせがてら一緒に食事会でも如何かな? 勿論九条院とも話を併せてね。」


「か、母様、父様、恥ずかしいので止めて下さい!! う〜っ、美里も笑ってないで何か言ってやってくれ!!」


「ふふっ、良いじゃないですか。翔さんには私と一緒にこれから一生お世話になるんですから♪」


「………美里、俺も恥ずかしいんだけど。」


 美里が、命と翔の事をペラペラと話してしまった朝食の後(何故か食事が終わってもいないのに命の両親からご馳走様と言われた)、急な泊まりだったのもあり早めに帰ろうと席を立った翔を、美里と、朝から庭の整備を再開させられている神斗以外の小波家の皆様が見送る為に正門前に集まっていた。


「ふふふっ、ごめんなさい。それと、私はこれから命ちゃんに話があるので残ろうと思っていますが………翔さんは一人で大丈夫ですか? ……昨日は一緒にいられるのが嬉しくて、些か甘え過ぎてしまいましたが、翔さんは病み上がりなのですし。」


「ははっ、大丈夫だよ。倒れたっていっても体に異常はないんだし。」


「………ですが心配です。やはり、一度私が翔さんを家までお送りして……。」


「そういう事なら私も行こう。翔………殿がまた倒れたりしない様に見張っている必要がある。」


「あらら、私達の前だからって遠慮する必要はないのよ? 人目を気にせず愛を囁ける様にならなくちゃ、ほら『翔殿』じゃやっぱりなんか固いじゃない。」


「もう母様は黙っていてください!!」


 先ほどから翔の事でつつかれ続けているせいで、真っ赤になって少し泣きそうになっている命が叫ぶのを立花は楽しそうに観察しながら、命から見えない様に翔にウインクを送った。……さて、なんのウインクだろう?


「とにかく大丈夫だよ。美里はちょっと心配性過ぎるな。命も、俺はそんなに簡単に倒れたりしないよ。」


「………ですが、翔さんにいなくなられては私はおかしくなってしまいます。健康な時ならまだしも、不調な今こそ誘拐があるかも知れませんし、私の為と思い誰か護衛を………。」


「いや、だからなぁ………。」


 言っている内に不安になってきたのか、段々命の様に涙目になってきた美里に、翔も男らしく言い聞かせた方が言いのかと考え始めた時、離れた所から翔を呼ぶ声が聞こえて、思考を中断した。


「あのー……篠原さんにお客さんが来てますよ? ………目茶苦茶綺麗な人です。一体どうやったら姉さん達だけじゃなくてあんな美人まで捕まえられるんですか? 流石の僕も腹立って来ました。」


「……客?」


 神斗がいきなりそう告げたが、翔がここにいる事を知っている人はそういない。美人と言われて挙がる人は多いが、美里と命が此処にいる以上、後の可能性は………。


「翔、一人で帰るなんて絶対に駄目よ。また倒れたらどうするの? しばらくの間は外出は私が同伴するからね。」


「やっぱり優か。……だけど、まぁ……分かったよ。迎えに来てくれて助かった、今まさにその事で揉めてたんだ。」


「………優、さん? 何故ここに?」


 神斗が顔を向けた方に翔も視線を向けると、思っていた通りの人物が心配そうな顔をして立っていた。優は美里がそう聞くと、薄く笑って答えた。


「翔に何かあったのにただ家にいるなんて出来ないわ。昨日電話があった時から来ようとは思ってたのだけれど、流石にもう遅い時間に来るのは迷惑でしょうし、今日来るのもどうかと思ったけれど、翔なら一人で帰るって言い出してそうだったから来たのよ。」


「なるほど、そういう事でしたか。確かに、優さんが一緒にいてくださるなら翔さんは安心ですね。」


「俺はそんなに虚弱体質じゃないぞ……?」


「翔殿、いつ何が起こるか分からないんだ。用心するに越した事はない。」


「………ふふふっ、篠原君は本当に幸せ者ねぇ。アナタ、羨ましい?」


「立花さえ居れば私は充分だよ。……それより、婚姻の事はもう少し待った方が良さそうだな。」


 『取り合えず卒業までには』とか、『他の子の為にも呼ぶのは親戚だけにした方がいいかも』とか、そんな話が隣で聞こえ始める頃には、翔も靴を履いて帰る支度を終えていた。


「父様達の事は気にしないで欲しい……。」


「……まぁ、もう慣れたから大丈夫だ。それじゃあ優も迎えに来たし、俺は行くよ。泊めてくれてありがとな。」


「いや、私も楽しかった。良ければ近い内に………また来て欲しい。」


「ふふっ、今度は九条院の方に招待しますね?」


「ははっ。ああ、楽しみにしてるよ。それじゃあ、明日学園で。」


 翔がそういって手を軽く振ると、美里と命は笑って同じ様に手を振って見送った。……一日が何日もに感じた密度の高いお泊りは、なんとも幸せそうな二人の笑顔で幕を閉じたのだった。










「翔、随分とあの二人と仲良くなってるみたいね?」


「………あ、ああ、それなんだが……。」


 美里達が見えなくなってから随分と歩いた辺りで、優がそう切り出した。翔としてはここまで優が我慢していた事に若干の驚きがあったが………やはり、これは回避出来ない問題だ。昨日からずっと考えていた事だったが、今、逃げるわけには行かなかった。


「……優聞いてくれ、実は俺達………。」


「付き合い始めてるんでしょ? これで五股ね。」


「ああ、実は付き合って……………は?」


「何驚いてるの? 真夕先輩の時から気付いてたわよ。美里辺りから聞いたでしょ? 真夕先輩の魔力の話とか。私は翔の関係の事なら何でも知ってるのよ?」


 優は唖然としている翔を見て、ふぅ、と溜息とも取れる息を吐いた。


「全部知ってたのか?」


「ええ、いつ翔から話してくれるのか待っていたのよ。私としては直ぐに教えて欲しかったんだけど?」


「ええと………悪かった。」


 いつもならそんな事になっていれば問答無用で攻撃してきただけに、翔としても反応に困ってしまった。今の優は怒る所か微かに笑っていた。それを不思議に思っていると、優は全てを見透かしたかの様な瞳で翔を見た。


「もぅ、私が今まで本気で翔の幸せを妨害した事があったかしら?」


「いや、そんな事はないけどさ………。」


「それとも私が翔に興味を無くしたかもって思ってる?」


「それは………不思議とそんな気はしないな。」


「そうね、私は翔を愛してるわ。これだけは絶対に疑っちゃ駄目よ?」


 優はそういうと、翔の手を優しく握って来た。………何故だろうか? 先程に握りあった美里の手の感触よりも、初めて愛した真夕の手の感触よりも、とても落ち着く。これが自然体なのだというかのような………。


「翔、どんな感じ? まだ私と手を繋ぐ事に違和感があるかしら? 親友である私が愛していると言うことに、貴方は抵抗を感じるかしら?」


「…………いや、凄く安心するな、何でだろう。」


 翔がそういうと、翔からは優が嬉しい様なのに、悲しい様な、そんな不安定な表情をしたように『見えた』。実際の優はとても嬉しそうに笑っていたのだが。


「じゃあ親友は卒業。これからは私も翔の恋人で………良いかしら?」


「いいも何も………俺が言えた事じゃないけど、優こそ良いのか? 実際今まで俺が他の女の人といるのを凄く嫌がっていたじゃないか。」


「ああ、それの事ね。」


 優は翔の言葉を、なんだそんな事かと言うように軽く受け止めた。


「………そうね、きっと、翔が知らなくてもいい女の子の秘密なのよ。翔は隠し事が嫌いだろうからしたくはないんだけど。これは私の我が儘として、許してくれないかしら。」


「…………分かった。優が無理をしていないなら、それでいい。」


 翔がそういうと、優は少し頬を赤く染めて笑った。そして、いつも通りの表情に戻ると、今度はちょっと不機嫌そうな顔になった。


「………でも、学園だけでなく家でも翔を独占してイチャイチャ出来そうもなくなっちゃったのよねぇ。」


「………ん? 何かあったのか?」


「そうなのよ。実は私がこうやって翔を迎えに来て、尚且つわざわざ今こんな道端で翔の浮気性を承認したのには翔が心配だからって他にももう一つ理由があるの。………ほら家の方を見てみなさい。」


「………家の………?」


 翔はそこで初めてもう自宅の近くまで歩いて来ていた事に気が付いた。そして、眼を向けた先には翔が良く知った気配。それがどんどんこちらに近付いて来て………翔の胸に飛び付いた。


「ま、真夕……先輩?」


「………おかえり……待ってた……今日から……ずっと一緒………♪」


 腕の中で全幅の信頼を感じるオーラを放っている真夕を暫し呆然と眺めた後、家の前でニヤニヤと笑う老人と年齢不詳の少女を発見した。最後に相変わらず不機嫌そうにしている優を見て翔は思った。

 どうやら自分の周りが騒がしいのはどこに行っても同じらしい、と。




こんにちは、こんばんは、八神です。後書きは久しぶりな気がします。

恋:「ふぅ、なんだか本当に久々だな、この後書きコーナー。」

そうですね、でも需要あるんですかね、この枠って。

恋:「あるに決まっている。なんせ私が出てるんだからな。」

………うぇ。

恋:「………ほう? 久々に絞められたいらしいな? 元はと言えばお前がいつも書くのが遅いからいけないんだろうが!!! 反省しろ!!!」

ううっ、反省してます………でも、今月は黒ティガが僕を呼んでたんですよ!!! 前回苦手だった敵の亜種ですよ!? これはもうやるしか………いや、すいませんすいませんすいません。

恋:「全く、一部の人にしか分からないネタ使いやがって………。」

………自分自身が一部の人にしか分からないネタのくせに…………ギャアアアアアアアアアアッ!!!!

恋:「………ふんっ、こんな作者でも読者の感想があった日は奮起して一日続きを書いてたりするんだ。作者の為にも、是非感想を送って欲しい。………お気に入り登録してくれている人にも感謝している。これからも宜しく頼む。」

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