表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まじかるタイム  作者: 匿名
40/101

第40話:男は度胸、女は愛嬌、ちなみに翔にはメイド服

暫くは修正をしつつ書いて行きます

ドスッ グシャ グチャ


「うふふ…ふふふふふ…美里ちゃん……そっちにいったわ…♪」


ドゴッ プチッ ブチリ


「…あはは…もっと……もっとですぅ…♪」


グチョ ドガッ ドグッ

「あ…これ楽しいかも…♪」


「「「………」」」


生徒会室の空間創造システム前で翔、琴、真夕は顔を引きつらせながらモンスターを狩る修羅となった澄、美里、優を見ていた。こうなった理由は勿論朝の一件で、放課後になると三人はシステムを起動させて籠っているのだ


「……悪いのは…翔君……」


「そうね、翔ちゃんが悪いわ」


「いや、本当に不可抗力なんですって」


翔としては理不尽だなぁと思わずにはいられないのだが。それはそれ、これはこれ。てな感じで乙女心は複雑だと言う事にしておいた。だがここにも少し苛立っている方が一名


「まゆまゆ、なんか不機嫌じゃない?」


「……悪いのは…翔君……」


「いや、その…すいません」


この上級生の視線にはかなりの不機嫌オーラが籠っており、翔は取り敢えず謝る事しか出来なかった


「……仕方ないから…私も泊まりに行く……」


「わぉ、まゆまゆ大胆♪ 翔ちゃん、私も行って良い?」


「と言う冗談は置いといて」


「……翔君…週末……」


なんだか本気らしい雰囲気に翔は少し押される。翔も女性の押しに弱過ぎる事は自分でも分かっているし、この上級生コンビは有言無言強制実行、な方達な事は分かって来ていたので反論が無駄な事もまた分かっていた


「…クスッ……」


ドゴンッ!!!


「………」


モニターの中では現代の科学と魔法によって生み出された最強レベルのモンスターまで出て来ている。例えば、今六つの頭を優の釘バットで撲殺されている竜とか、澄が棍棒でなぶっている火のトカゲとか、美里がレイピアで眼を一つずつ潰している沢山の眼で覆われた怪物とか…


ガチャ


「こんにち………なんですかこの雰囲気は…?」


「翔ちゃんが原因のカオス空間ですよ♪ もれなくまゆまゆも仲間入りすると思うけど」


琴がそう言って翔に視線を送る真夕を見た後に翔に視線を滑らせた


「司先生、貴方なら理不尽と言う名の暴力を分かってくれると信じています…」


「……分かります。今日も奏の分の仕事が当たり前の様に回って来て、明らかにオーバーワークですよ……。それも仕事サボって何してたと思います? 私用に次のイベントの衣装を作ってたんですよ? 『次は一緒にやろうね♪』とか全く邪気のない笑顔で言われたら……断れないじゃないですか……」


「承諾しちゃったんですね♪ 今度猫の衣装を頼んでみようかしらねぇ?」


司がネガティブな雰囲気を創造する隣りで琴が楽しそうに言うと、翔はますます鬱になった


「それで司先生はここに何しに来たんですか? 奏先生ならいませんよ?」


「ああ、そうでした、つい忘れてしまいました。光明祭の事です」


司がそう言って資料を取り出して翔に見せた


「奏が担任をしているクラスがまだ何をするか報告されていなかったので、お聞きしようかと」


「あーなるほど、かなちゃんVS良心派で意見割れそうだもんね」


「……翔君…何やるの……?」


真夕も興味津津の様子で翔の方を見ている。だが翔は言いたくなさそうに溜息をつく


「……男……レ喫茶………」


「あの、すいません。もう一度」


司がそう言うと翔はそれぞれの新しい敵を楽しそうに消滅させて行く3人を見つつ諦めたように言った


「……男女逆転コスプレ喫茶です…発案者は奏先生……」


「……やはりそうでしたか…」


翔と司は同時に溜息をついた。男女逆転なんて女子は楽しいかもしれないが殆どの男子にとっては苦痛にしかならない。勿論翔も反対していたのだが、あの後3人が異様な雰囲気で奏の味方に付いた為に女子生徒全員+奏で決まってしまった。そして怖い笑顔の3人に翔のやる女装まで決められたのだが…


「え、嘘、本当!? 翔ちゃん何やるの!?」


「……気になる…」


「…さ、さぁ…? …あ、俺ちょっと用事を思い出しました♪」


翔は視線から逃げつつ出口に向かって転進を開始する。逃げるのではない、戦略的撤退である


「しかし、回り込まれてしまった♪」


「……逃がさない…さっさと話す……」


「……くっ…!!」


「ふふふ…嫌がるって事は期待出来るみたいね♪」


「……それを分かっててやりますか……」


どれだけ性格が悪いんだろうと思いながら逆転の一手を探す。言ったら絶対からかわれるし


「翔はメイドをやるのよ?」


「……な…優、なんでここにいる。なんかモンスターなぶってたんじゃなかったのか…!?」


「そりゃあまだ怒ってるけど……今回は許して上げるわ。ただし、もうこんな事はないように…ね…?」


優が完全に据わっている目でそう言った。それも相当に恐ろしいのだが、翔にはそれ以上に厄介な瞳を輝かせる人物に冷や汗をかきながら視線を戻した


「メ・イ・ド♪ それはネコ耳と組み合わせると威力を3倍にする不思議なコスチューム……まゆまゆ、映画研究会に連絡して一番質の良い撮影機借りるわよ♪」


「……了解……」


「了解しないで下さい!!」


もう翔は泣きそうになりながらそう言った。もうこうなったら実害は避けられない。優×翔の女バージョンなオフセット本だけは避けなければならないと翔は心に誓った


「所で琴先輩、翔のメイド服なんですけど貸してもらえませんか? この前見た時に可愛いなぁって思ったんですけど」


「おやすいごようよ!! 可愛くドレスアップした翔ちゃんを映像として残すためなら私は協力を惜しまないわ!!」


「…………」


大きな傷が残りそうだなぁと翔はうなだれる。何か悪い事したか? と言う疑問もあったが何をしようとこうなっていた気がするなぁと思い。翔は溜息をついた







その日の夜の御島家


「お姉ちゃん、ちょっと話があるんだけど」


「ん、なぁに?」


琴は澄が部屋の中に入って来たので、メイド服の寸法合わせをする手を休めた。澄はそのメイド服を見て眼を細めた、そしてクスッっと笑った


「翔君のメイド服の丈、もうミニスカ並にしちゃわない?」


「…………」


「後はもっとフリフリにして……あ、キメポーズとかもやってもらいたいな」


「……えーっと…澄…? 流石に翔ちゃん泣いちゃ……」


少し表情を引きつらせる琴に構わずに澄は続ける。その眼は昼間の優の様に据わっている


「ネコ耳ならシッポもいるわね。…ふふふ…ふふふふふ……翔君が悪いんだもん…♪」


琴も澄のそのアイデアには大賛成だった。だが、翔がどんな表情をするかを想像してネコ耳とシッポ以外のアイデアは何とかしようと口を挟む


「あの……」


「……なぁに、お姉ちゃん…? もしかして…可哀相とか思ってる……?」


「……な、なんでもないわ……」


ダメだなんか今日の澄は怖い。そう思い、琴は静かに胸の辺りで十字を切った。しかし楽しみだなぁと思ってる事もまた事実で、少し微笑みながらスカートの丈を削り始めた。しかし次の一言で琴は手を休める事になる


「…私って、魅力ないかなぁ……」


「……はい…?」


「それじゃあ、おやすみ。仕立頑張ってね」


そう言って澄は部屋から出て行ってしまった。琴は暫く呆然とした。それは決して澄が自分の魅力に気付いていないからではなく……


「……まったくもぉ…あの天然ジゴロな翔ちゃんは……」


澄の出て行った場所を見つめながら言う


「翔ちゃん…可愛いもんねー。澄も、優ちゃんも、美里ちゃんも、まゆまゆまで……まぁ命ちゃんは美里ちゃん大好きな子だから違うんだろうけど……」


親友の顔や新しい生徒会メンバーの顔を思い出しながら有能だが少し策士な生徒会長はらしくもない溜息をついた


「可愛い過ぎるわよねぇ…もう少し自重して欲しいわ、でないとお姉さんが変な気起こしちゃうわよ……お願いだから……っ…!?」


琴は何かに気付いて後ろを見た。…そこには自分がいつも話相手にしている精霊が


「あー、天。もしかして聞いてたりする?」


「今迄真後ろに居ましたからね」


「あー…」


琴がバツが悪そうにどもった。天はそんな主人の姿を面白そうに見て、言った


「ねぇ…この事は…」


琴が手を合わせてそう言うと、天は珍しく琴の前でしか見せないニヤニヤとした怪しい笑いをしながら言った


「それより…琴は裏界って知ってるかしらね…?」


「………?」


澄は次の日に琴が何処かに慌ただしく電話をかけているのを見たが、琴は澄を見るなり直ぐに電話を切ってしまったらしい。ただ澄が分かったのは琴の顔が何かを企んでいる顔だったと言う事だけだった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ