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例えばさ、ショタな男の娘を召還するとするじゃん?

なんとなく二次がスランプなので気晴らしに書かせていただきました。

例えばの話。

俺が転生者で、テンプレ的に特典で貰った能力が召喚士、不老、魔力無限になるとかだとするわけよ。

色んな召喚獣を呼び出して、某大ヒットRPGの職業と同じように、使役して戦う職業。

俺はその職業引っさげて転生して、でっかい国に仕えて、国一番の召喚士になるわけだ。

誰からも頼りにされて、魔物の大侵攻とか止めちゃうわけよ。

英雄とか、光様~とか言われてね。

あ、ひかるってのは俺の名前ね。

まぁ、そんな感じでね。

崇められたり尊敬されたりしたんだなこれが。

でもさ、これまたテンプレな出来事があったわけよ。










魔王復活。










遥か昔、勇者スティナが封印したとされる歴代最強とうたわれた伝説の女魔王ミーナ。

そいつが封印ぶっ壊して出て来ちゃったもんだから王国もびっくりしてね。

至急勇者を召還しろっつって俺に言ってきたの。

で、はいよ~っ!ってなノリで召還したわけ。

この世界に再び勇者を誘い(いざない)たまえ~っつって。

正直面倒だったし、俺ってば自称フェミニストだからさ。

女魔王って時点で萎えちまったわけ。

それに、どんな勇者召還したところであいつ倒せそうに無いもん。

一回召還獣の眼を通して見たけど、強いのなんの。

いやぁ、魔物の軍勢が半端な数じゃなかったね。

俺が全召還獣と突っ込んで相討ちってとこだ。

でもな?俺、痛いのやなんだ。

いっぺん死んだからかな?

で、かわりに戦わせようとしたわけよ。

どうせ、欲にまみれた転生者がチート引っさげてくると思ったのよ。

んで、召還されたのがこいつ。










「お兄ちゃん、何やってるの?」


高崎歩たかさきあゆみ7歳。

むちゃくちゃ女の子みたいな顔立ちではあるが、男。

所謂男の娘である。

髪は艶のある黒いセミロング。

召還してまだ間もないが俺のことをお兄ちゃんと呼び、懐いてくれている。


「おぉ、歩。

お兄ちゃんはお仕事中ですよ。」


あ、言ってなかったな。

書類整理中なんです。


「おしごと?」

「そ、お仕事。」

「なんのおしごと?」

「紙にはんこを押すお仕事だよ。」

「ぼくにもできる?」

「おぉ、それはいい。

歩のはんこも出してあげるから手伝ってくれ。」

「ほんと?えへへ♪お兄ちゃんと一緒~!」


ほんと可愛い。

この世界にカメラがあれば。

ふむ。今度作ってみよう。


「この紙のここにぺったんするんだ。」

「ここだね?」


歩は小さな手ではんこを両手で持ってぎゅっぎゅっと紙に押し付ける。


「そーっ……もすこし。」


ちょこっとだけ上に持ち上げてはんこの下を確認したが、まだはっきりとおせてなかったのかもう一度抑えた。

ちなみに、その間俺は手を止めて歩を見ている。

やがてはんこを持ち上げると、紙を俺に見せる。

押印のところには、ひらがなで「あゆみ」の文字が。


「お兄ちゃんお兄ちゃん!

じょーずにできてる?」

「あぁ、上手い上手い。

歩はすごいな。」


精一杯の笑顔で頭を撫でてやる。


「え……えへ♪」


顔が赤くなっているのが非常に可愛い。

携帯は無いのだろうか。








ん?

なんで勇者として召還されたはずの歩が何もしてないかだと?

だって問題無いだろ?










「はぁ……はぁ……歩ちゃんいつも可愛い……っ!」


魔王がこれなんだからさ。

はい、こいつが歴代最強とうたわれた女魔王ミーナ。

漆黒の翼に羊の角を黒く染めたような角。

魔王族の象徴たる灰色の肌と黒のタトゥーに紅の瞳。

そしてその美しさたるや万人を狂わせ、全てを虜にするという。


「あ!お姉ちゃん!」

「歩ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!

今日もお仕事片付けて駆けつけてきたわよぉぉぉぉぉ!!!!」


まぁ、今は歩の虜になってるわけだが。


「むぎゅー……!

お姉ちゃん、くるし、のぉ……!」

「あ!ご、ごめんなさい!」


そりゃあんなバカみてーにでかい乳にホールドされたら苦しいわな。


「ようミーナ。

今日も変態街道まっしぐらだな。」

「あらあら、まだ生きてたのね光。

そろそろくたばって歩ちゃんを私に寄越しなさい。」

「寝言は家に帰って自家発電でもしながら言うんだな。」

「あら、女性に向かってそれは無いんじゃないかしら?」

「お前何歳か数えてみ?」

「永遠の18よ!」

「嘘つけ3000は越えてるババァが。」

「んだとこのペド野郎が!」

「フェミニストと言っていただきたいね。」


こいつはいつも激高すると口調変わるな。


「け、けんかだめっ!」

「今日も綺麗だなミーナ。」

「あら、あなたも素敵よ光。」


転身の速さも相変わらず。










さて、こうなった経緯を話そうか。

俺が勇者として歩を召還した日。

歩の力を確認する為に計測魔法をかけた。

が、しかし、異様な反応はあるものの、能力らしきものが一切見当たらない。

歩いわく、変なおじさんにあってその人に何々ができるようになりたいとかないかと聞かれて色々答えたらしい。

その数8個。

・折り紙が上手に折れるようになりたい。

・ゲームが上手になりたい。

・色んなお友達が一杯出来るようになりたい。

・鉄棒が上手になりたい。

・コマを回せるようになりたい。

・お花を自由に咲かせられるようにしたい。

・空が飛べるようになりたい。

・動物や植物の言葉がわかるようになりたい。


戦闘に一切役にたちそうなものがなさそうである。

その願いをおじさんこと神は全て叶えてくれたらしい。

実際、色々試してみた。全部できてたが、問題が。

歩が折り紙を折ると、鶴は動き出し、風船は実際に浮いた。

歩とチェスやらなにやらのボードゲームやスポーツをすると確実に歩が勝つ。

翌日、城中のメイドと執事が歩と友達になった。

鉄棒は大車輪からのスライダーができるようになり、コマを回すと竜巻が巻き起こる。

魔界の美しき人喰い花を生やし、龍王バハムートと宇宙空間を飛行し、さらには様々な魔物との交流及び対話が可能になっていた。

バカみてーにチートだった。

試しに歩が生やした美しき人喰い花に全力で火炎弾を放ったところ、人喰い花は炎を喰らい尽くした。



それを嗅ぎ付けたミーナが単騎で城内に侵入し、歩に遭遇。


『お姉ちゃん、だあれ?』


と、小首を傾げたその瞬間、ミーナは堕ちた。

魔王をもお友達にしてしまう勇者。

恐るべし。


で、ミーナは歩を傷つけたくないという理由から、停戦協定を結んだ。

条件は、歩に傷を付けないこと。

そして、魔族、魔物、人間、亜人。

全ての種を平等に扱うことである。

この条約、歩条約と名付けられた。

この条約が施行されてから、王国の大学に、医師を目指すローパーとか、学校の先生を志すミノタウロス等々が続出。

こういうのって、差別起こったりしないんだね。










で、世界に平和が訪れた。

ある意味あいつは勇者に最も相応しいかもしれない。


「ほら、今日はケーキを焼いてきたわよ。」

「わぁ!おいしそうなケーキ!」

「こら、食べるなら手洗いをしなさい。」

「はーい!」


とてとてと水場に走っていく歩。

和む。


「あんた、まだ仕事終わらないの?

ふっ……ダサッ。」

「いいんだよ。

後で歩にお手伝いしてもらうから。」

「し、しまったその手が!」










本日もまた、王国は平和である。

感想等、お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  やべぇ、魔王っ娘が一応はまともである限りある意味反則的強さだな。 [一言]  変態では無く狂人が魔王だった場合はこの世界の人達により反滅させられるだろう。
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