あとがき
いかがでしたでしょうか。
他にもご紹介したい京忍びはたくさんおりますが、きりがないので六人衆にさせていただきました。
長い間、宮仕えをさせていただきますと、権力の世界がいかに醜悪で虚飾に満ちているかを思い知らされることが多々ございます。
宮中も幕府も伏魔殿のようなものだと申し上げたら信じていただけるでしょうか。
また在野の書は信用できないが、公文書は真実が書かれていると思われている方も多いと存じますが、私に言わせれば、どちらの書にもいくばくかの虚偽が混じっているはずでございます。
歴史とはときの権力者が真実を上書きして世に知らしめるもの。このようなことを、ある者が申しておりました。
いずれにいたしましても、世の中の裏で命を賭けて暗躍しておりますのが忍者でございましょう。
本編をお詠みいただきましたみなさまが少しでも御所忍者、あるいは京忍びにご興味を覚えていただきましたら、私にとり、これに勝る喜びはございません。
かしこ
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以上の文面を『勅撰物語 戦国京忍六人衆奇譚』に承認する。
寛永二十一年二月五日 後光明天皇
御名御璽
(了)




