期待
あらすじ、男が青年にであい、未知の世界に入り込んだ。
しかし、あまりの体験に男はその場から立ち去ってしまった。
私はあの未知の世界から、安全な自分の家、現実を感じさせてくれる世界に帰ってきた。安心すると共に、私は柄にもなく彼に話しかけてしまったことを後悔した。
冷蔵庫から水を取り出し、コップに注ぐ。このコツコツとなるコップと水の反響音が私をゆっくりといやし、現実であることを私に教えてくれる。
水を飲み干し、いつものようにテレビをつけ、風呂に入り、飯を食った後に寝る。
当たり前の日常、そうこれが当たり前なのだ。
この平凡な日々、普通という現実的な世界が私の部屋に充満している。そして、どこか私の乾いた欲求に適応することのない乾きがあった。
知らなければ、私は彼にすこしでも興味も持たずに普通にいられたというのに、私があの世界に触れなければ、あの世界が与える不可思議な感情が私の全身を包むことはなかったのだ。
私は彼を、あの世界に触れたが為に、あの全身を包む興味と現実離れした冷たさが私の代わり映えしない日常を変えてくれるのではないかという期待を彷彿させることなどなかったのだ。
当然、私はその夜寝ることができなかった。網膜に焼き付いたあの非日常的なあの異様な光景と彼の私の世界にいるはずのないあの奇怪な見た目が私の期待を誘発し、私を興奮させるのだ。
「もう一度みたい。」あの非日常的な空気が私を誘ってくるのだ。
次回、青年との再会。
ぜっってぇ見てくれよな。