出会い
仕事帰りの男性が雨の中、とある青年にであう話です。
異世界転生を日常で体験する新感覚のフィクションです。
豪雨の中、とある路地裏の道にある少年が横たわっていた。その青年はどの部位を見ても骨がうっすらみえるほど華奢で、この雨のせいなのか弱っているように見えた。
私は人に同情するほどお人好しではないが、彼がなぜ倒れていて、立ち上がろうともしないのか気になり彼を揺すり、
「大丈夫ですか」と声をかけた。
彼を揺すったとき、自分の手が砂混じりの水がついて少し後悔した。
彼は眠そうに私の方にゆっくりと顔を向け、「アッッ、、、タイジョウブッス。」と敬語を使えない品性のないガキが私にそう答えた。
私は何の心配もしていないのだが、彼のふざけた態度と言動によって憤りも感じながらも、こんな普通のガキがなぜこんな場所で寝転がっているのかが無性に気になった。
「なにかあったんですか?」当たり障りもない質問を彼に投げかけ、周囲の人間に私が困っている人に手を差し伸べる聖人であることをアピールしながら彼に手を差し伸べた。
まさか、私は彼に手を差し伸べることがこの後に起る最悪の事態になるとは思いもしなかった。
そんなことを知らない私の手を彼は手に取ることなく、「いやっ、違くてその、眠くて、、、」ともごもごと何を言っているのかはっきりしない口取りで、かすかに私にそう言ったのだ。
なぜ彼がこの雨の中、睡魔を感じ、人目を気にせずに町中で倒れることができるのだろうか私はそれが不思議でたまらなかった。
私はあまりの情報量に頭を抱え、差し伸べた手を傘の方に戻し、周囲を見渡した。一度情報を整理できると思ったからだ。だが、現実は異なりその情報をSNSのように又新たな情報で私の脳内を侵食していった。
その光景というのは、私が彼に夢中で雨ということもあり、気にもしなかったが、周りが彼と同じような黒い服装で寝転がっていたのだ。この異様な世界に迷い込んでしまったかのような感覚が、私の全身を冷やした。
「早くここからでなければならない」私は本能でそれを理解することができた。私は彼に会釈し、足早にそこから去った。
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