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神秘の結晶〜世界最後の錬金術師〜  作者: 聖華
第0章~別れ~
8/37

神子

誤字・脱字などがありましたらお伝え下さい


「サフィア」

「何でしょう」

「神子ってなんだろう」


山笑う季節となったこの頃

厳しい寒さは遠のき(うらら)かな春の陽気に誘われて

花々は芽吹き、動物たちは目を覚ます

メアリーの楽園はまるで霞み衣をまとったよう

そんなほのぼのとした日々

最近疑問に思っていたことがあった


神子とはなにか


神グラスに愛されていて、錬金術を使える

それは分かる

でもね、それ以外はよう知らない

まぁ知ろうとしなかっただけなんだけどさ

ただ最近ふと思っただけ


「神子とは魔力や神力(しんりき)聖力(みちから)などが宿り、その量は多く純度も高い。それに加えて錬金術という神の御業を使える。まさに神グラスに愛されし子のことです」

「うん、それは知ってる」


できればそれ以外で

そういえば、産まれたときから村の人はボクが神子だって気づいていた

どうしてだろう


「なんでボクが神子だって気づいたの?」

「それはですね、瞳の色でございます」


瞳の色?


「魔力が多ければ多い程純度が高く、ダイアモンド以上に、もうそれは比べ物にならないほど美しい“神秘の結晶”のような瞳をもつ者…その方が神子となるのです」

「でもさ、神秘の結晶って誰もみたことがないでしょ?何で分かるの?」


神秘の結晶

この世に2つとない幻の宝石

それを手に入れた者は一生の幸せを約束させる


「煌人族だからです」

「煌人族だから?」

「煌人族はみな宝石の瞳を持っています。なので見ればたいていわかるのです。ダイヤモンドのように透き通っていて光を反射しキラキラと煌く…神秘的でどの宝石よりも美しい。それに加えシア様は歴代で最も純度が高いですのですぐにわかります。シア様ほど美しい人は初めてです」


それは…素直に嬉しい

でも、そっか

煌人族だからか

なんか納得


「それにシア様のその御髪(みくし)が美しい貴方を一層際立たせています」

「ボクは神子について聞いたのだけれど」


さすがに褒め過ぎ

でも嬉しい

ボクは一番髪が気に入っているので

黒髪だが光が当たると白銀のようにも見えて、ちらちらと隙間から青や緑、オレンジ、紫などが見える

それもまた宝石のようにキラキラしていて

けっしてインナーカラーを入れているわけでない

なのに見えるのだ

そのような不思議な髪はまるで玉鋼のよう

だからすごく気に入っている

男なのに髪を伸ばす位は


そういえば


「サフィアって何歳なの?」

「え?いきなりですね。10歳です」


10歳!?

若い、若すぎる…

この歳からボクに仕えるなんて…

ブラック?


「ボクなんかに仕えていいの?」

(わたくし)は貴方様に仕えることができて幸せですよ」

 

そっか…


「あ、もうそろそろ祈りの時間ですね」


ボクはサフィアの言葉に少し浮かれながら祈りに向かった

その後、祈りに集中できていないことにしこたまおこられたが…

 

◇◆◇


くちなしの花が香るこの季節

窓の外を見ると雨が振り続けていた

そう、梅雨だ

この様子じゃしばらく止みそうにない

紫陽花もこのままじゃ枯れるんじゃないか、というぐらい


「シア様、集中してください」

「あ、ごめん」


今ボクは絶賛勉強中

内容は神子についてだ


「シア様は魔法や学問については申し分ないのですが、自分のことについて知らなすぎです」


遡ること2ヶ月程前

神子について聞いたのだけれど、その後も何度か聞いたりしたらボクか神子について知らなすぎだとバレてしまい

今にいたる

でもこれのおかげで結構知ることができた


神子は魔力・神力(しんりき)聖力(みちから)

あらゆる力に愛されている

人がもつ力ではなく自然からつくられた力

それをゼンという


神秘の結晶は知っている通り、手に入れた者の一生の幸せを約束させる

でも、それだけではなかった

願いさえも叶えてくれるらしい

世界の(ことわり)関係なく

それだけ聞くと素晴らしいとのとしか思えない

でも、神秘の結晶ができる条件を聞いてしまった

まぁ、その…

あまり良いものではない

それどころか知りたくなかった

そんな感じだ


いろいろ勉強にはなった

これからもこの村の為に知識を蓄えて頑張っていこう




このときは思いもしなかった

これからなどないということを








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