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お家選び~無駄な努力~ウミウシ

「お家が大きいんじゃない? きっとピッタリのお家が見つかるよ! ほらあそこにも!」

 デンデンはナメオを引っ張って、貝がたくさん集まってる方に向かいます。


 たくさんの貝は誰か住んでる家もありましたが、空き家もありました。


 ナメオは水玉もようの付いたお家が気に入ったのですが、小さ過ぎて中に入れません。

 トゲの付いたかっこいいお家は、見るからに大き過ぎです。


 淡い桃色のお家は丁度いい大きさでした。色も形もステキです。

 このお家に住みたい。ナメオは強く思いました。

 背負って歩く! 身体中に力を込めて頑張ります。


 ナメオはほんの少し、お家を背負って進みましたが、気が付いたら抜け出てしまっていました。

「なんでお家を背負えないんだ!!」

 ナメオは叫んでしまいました。


「背中が壁とくっ付いて無いからなのかな?」

 デンデンが言い出しました。

「ほら見て? こうやって伸ばすと、僕の背中が壁にくっ付いてるのが分かるでしょ? コレは引っ張っても取れないんだ」


 どうしたら背中がお家とがくっ付いて取れなくなるんだろう?

 ナメオは泣きたくなりました。

「しばらく背中を壁にくっ付けたままにして置いたら取れなくなるかもよ?」

 デンデンは励ますように言います。


 ナメオはお家に入ったまま、何日も何日も待ちました。

 デンテンもナメオの隣で辛抱強く待ちました。

「もうそろそろくっ付いたかな?」

 そろりと体を動かした時、ナメオは覚ってしまいました。

 お家はくっ付いて居ません…


 何も言わずにポロポロ涙を流し始めたナメオに、デンデンはかける言葉がありません。

 ナメオはお家を出て真っ直ぐ進みます。涙で前が見えません。

 デンデンはオロオロと後ろからついて行きました。


「こんなところに珍しい、おまえは陸の仲間だねぇ。何しに海へ来たんだぃ?」

 ナメオは声の主に目を向けます。

 そこには鮮やかに青く、なんとも美しい模様のある仲間が居ました。

 ウミウシです。

 ナメオは涙を拭いてよく見ます。

 なんてキレイな色! 空の色よりなお青い、海の色よりなお碧い…

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