30話 その後のこと
「ゼノン様ぁ!」
クルルが俺のところにやってきた。
「という事があってガバルやガラン達は今奴隷になってるらしいですよ!」
「そうなんだ」
クルルが何処から聞いてきたのか知らないがそんな事を口にしていた。
それにしても奴隷か。
落ちるところまで落ちたものだなあいつも。
あいつの落ちぶれるところを見るのは正直愉快だったがまさかここまで落ちるとは思っていなかった。
それにしても反逆されるなんてね。
まぁ、あいつらの行いを考えてみれば納得もできるというものだけど。
「まぁ、あんな奴らどうだっていいじゃないか」
そう口にして俺はクルルに目をやった。
「今日は俺たちにとって大事な日なんだし、そんな話はなしにしようぜ」
そう言って俺は近くにいたルゼルに目をやる。
「なぁ?ルゼル」
「何で私?」
「だってこの話をしたのはルゼルが最初じゃないか」
「そ、それはそうだけどさ」
顔を赤くするルゼル。
「うん。言ったのは私だけどさ」
そう言ってやはり恥ずかしそうにするルゼル。
「今更恥ずかしがってるのか?」
「え?いや、べ、別に?!恥ずかしくなんてないもん?!」
相変わらずよく分からないところでムキになるルゼル。
まぁいいや。
俺たちはかなりデッドアビスの攻略を進めた。
そしてかなり王国は発展した。
というより俺たちの冒険ペースが速すぎて研究の方が追いついてないから待ってくれ、と各方面から頼まれていて俺たちは絶賛暇を持て余しているという訳なのだ。
そしてやることの無い俺たち。
そんな日々を送っていた時ルゼルがこう言ったのだった。
「結婚しよって言ったのルゼルだもんね」
俺がそう言ったら
「ば、ばかぁぁぁ!!!!!」
何故かまた更に顔を赤くするルゼル。
「何故そこで恥ずかしそうにするの?」
「な、何となくだよ!」
ふーん。
そんなものなのか。
どうやらそんなものらしい。
「結婚なのですよ!ゼノン様!」
そう言いながら俺に飛びついてくるクルル。
ルゼルが結婚の話を出したらクルルもリリスも乗ってきたのだ。
「そうだな。今日は私たちの記念日になるのだな」
そう言って微笑むリリス。
そう。俺たちは今日結婚するのだ。
「私先に行ってるから!」
ルゼルが顔を赤くして走り去る。
「ま、待ってくださいよ!」
その後を更にクルルが追いかけ
「2人とも!先に行くな!」
リリスが更に跡を追いかけた。
やれやれ。一緒に行動というのが出来ないのだろうか?
そう思うが元気そうな3人の姿を見ているだけで微笑みがもれる。
「さて」
俺も行こうか。
目指すは教会。
空を見上げたら燦々と太陽が輝いている。
今日もいい一日になりそうだ。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
こんなにも多くの方に読んでいただけて嬉しかったです。
色々と悩んだのですが今回はこれで完結とさせていただきます。
新作の投稿を始めました。
追放され無職になった俺ですが前世は過労死したので今回は美少女達と辺境で快適スローライフを送ります。え?俺のせいで勇者パーティが崩壊した?魔王が攻めてきても抵抗できない?俺はもう知りませんよ?
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