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23/30

23 ダンジョン内テレポートできるようになりました!

───────デッドアビス51層。


 俺達はこのダンジョンに戻ってきていた。

 ここより前は紫色で不気味な壁に囲まれていたフロアだったのに対して

 ここは白い壁に囲まれていた。


 そんな中を進んでいく。


「ねぇ、ぜのーん」


 ルゼルが声をかけてきたので続きを促す。


「ぜのんってどうして冒険するの?もうお金は溜まったよね?もうこれからは私達全員とイチャイチャしながら過ごせるのに♡」

「いつもピンク色の脳みそをしているのかい?」

「ぜ、ゼノンの前だけだもん!//////」


 何故そこで恥ずかしがる。

 まぁいいや。


「ただ、見返したいだけだよ」


 そう言って俺はみんなの顔を見た。


「今の俺には皆がいる。皆とこのダンジョンを踏破してさ。王様にこのダンジョンを踏破したのは手塩にかけて育てたガバルじゃなく、俺だった、って現実を見せてやりたい。それだけだよ」


 不純だと思うけど俺は聖人でもなんでもない。

 こんなものでいいだろうと思う。

 なのに


「分かりました。その夢協力させてください」

「そうだね。ゼノンの願いは私たちの願い」


 クルルとリリスは手伝ってくれるらしい。

 有難い話だ。


「私も見返したい奴がいる」


 そう口にしたルゼル。

 それを見て思った。

 俺たち全員誰かに捨てられてここにいる似た者同士なのかもって。


「見返してあげようよ」


 そう言って俺は先に進むことにした。

 そうしようとしたその時。


 とある異変に気付いた。


「ん?」


 そう思ってステータスを開いてみた。

───────

ゼノン

レベル5

───────


「あれ?」


 そう思ったその時だった。


【ダンジョンの特殊ルールが適用されます。ステータスがリセットされました】


 そうウィンドウが出たその後


───────

ゼノン

レベル5

攻撃力5

防御力5

素早さ5

体力5

魔力5

───────


 そんな数字が並んでいた。


「何だこれ」


 俺がそう呟いたらまたウィンドウが出てきた。


【51層以降は特殊ルールが適用されます。ステータスがリセットされます。尚レベル上げは可能です。レベルを上げて強敵を倒しましょう】


 そんな説明をされただけだった。

 今までレベルってものはただの強さの指標程度にしか思っていなかったがこのダンジョンでは違うらしいな。


 どうやらきちんと意味を持っているようだ。

 そんな事を考えていた時。


「オォォォォォォォ!!!!!!」


 雄叫びを上げて迫り来る白いゴブリンが見えた。


───────

ホーリーゴブリン

レベル10

───────


 とウィンドウが出てきた。

 どうやら敵のレベル以外は分からないようだ。


 そしてその後ろから同じようにホーリーゴブリンと思われるモンスターが何匹もゾロゾロとこちらへ向かってきていた。


 いちいち相手にするのも面倒だな。

 俺は弓を構えると矢の先を天井に向けた。


「な、何をしているのですか?ゼノン様?そちらに敵はいませんよ?」


 そう言ってくるクルルだが問題ない。

 俺はそのまま射出。


「降れよ。矢の雨(アローレイン)


 俺が矢を放った瞬間1本の矢は天に登り、そして前回と同じように幾万の矢に分裂し降り注ぐ。


 ザァァァァァァァァ!!!!!!!


 雨が振るような音が聞こえたと思ったら


───────

ホーリーゴブリンレベル10を倒しました

ホーリーゴブリンレベル9を倒しました

ホーリーゴブリンレベル12を倒しました

───────


 ズラーっと俺が起こしたアクションがウィンドウに書かれていく。

 そして


───────

レベルが上がりました。

ゼノン

5→15

───────


 周りを見てみても同じようにレベルが上がっているようだった。

 よし、先に進もう。


 そう思って声をかけてみたが


「な、何ですか……今の……」


 前にも聞いたような覚えがある言葉を口にしているクルルだった。



 その後適当に探索を終えて切り上げようとした俺たちだが


「毎回昇り降りするの面倒なんだけどぉ、おんぶしてよぉぜのんおんぶおんぶー」


 ルゼルが後ろからそう言ってくる。


「まぁ、確かに面倒だよね。かと言っておんぶはしないけどさ」

「ぶーぶー」


 ルゼルがそんな反応をしていたその時だった。


「へっへっへ。お客さん。いいところで再会しましたな」


 声が聞こえたと思ったら


「あ、あの時のカエルじゃないか」


 カエルの商人が隅っこで風呂敷を広げて商売をしていた。


「へっへっへ。何か買っていきますかな?」

「このダンジョンの往復めちゃくちゃめんどくさいんですけどぉ!何か楽になるのとかないの?」


 ルゼルが疲れた様子でそう聞いていた。


「例えばねぇ。モンスターが出なくなるアイテムとか!」

「そいつぁ売ってねぇなぁ嬢ちゃん」


 落胆するルゼル。

 しかし


「だが、こういうのはあるぜ」


 そう言ってカエル商人が石をルゼルに見せた。


「何なのよこれ」

「ダンジョン内限定のテレポートが使える魔石だ」


 そう言って渡してくる商人。


「これを持ってれば踏破済みのエリアなら自由に行き来出来るようになるぜ」

「何それ!すごいアイテムじゃない!」

「黒い塊99個と交換だ」

「買うー!」


 ルゼルが黒い塊を渡すとアイテムを受け取っていた。

 黒い塊はここに来るまでに沢山ルゼルが拾い集めていたのだ。

 

「へっへっへ。センキュー」


 礼を言ってくる商人に俺は聞いてみることにした。


「その黒い塊って何だ?答えなくてもいいが、俺達がアンタにそれを渡して厄介な事にはならないんだろうな?」

「ただの素材さ。俺達もこのダンジョンで暮らすには色々と物入りでね。本来は人間に物は売るなと言われてるんだが」


 そう言ってルゼルに目をやる商人。


「嬢ちゃんは俺と同じ匂いがする。だから問題ないと思って売っている。なぁ?同胞」

「ちょ!私はカエル臭くなんてないから?!」


 ルゼルがそう叫んでいるが商人は気にすることも無く俺に目を向けてこう言った。


「また会おうぜ」

「きぃぃぃ!!!!カエル臭くなんてないから!」


 どこかへ消えていくカエル商人に向かって叫ぶルゼル。

 しかしその声に返事はなかった。

 その後


「私カエル臭くなんてないよね?」


 ルゼルがそう聞いてきた。


「うん?臭くないよ」

「だよね?ゼノン大好き!♡」


 俺に抱きついてくるルゼル。

 それにしても、そんなに同じ匂いと言われたのが嫌だったんだね。

介護というワードが相応しくないというご意見をいただきましたので変更を考えています。

現状、問題がないならば【御守り】になるかと思います。よろしくお願いします。


何度も何度も修正して申し訳ないです。

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