食べられるクソ
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食べた瞬間本当にカレーの味がした。俺は頭がおかしくなってしまったのだろうか?いや、この際どうでもいい。
ただ食べた
ひたすらたべた
かき集めて食べた。そして床にこびりつき、乾き、食べるところが無くなるころ、俺は眠りに落ちた。
目が覚める。辺りが明るい。今までのことは嘘みたいに体が軽い。本当は俺はウンコなど食べていないのでは無いか、今までの事は全て夢なのではないか。そう思いながら体を起こし、視線を下げる。
アレは当然の様に床にあった。カピカピになりながらもしっかりと存在を主張してくる。
本当に嫌になる。アレを食ったと認識するだけで吐き気を催してくる。こうするしかなかったとは言え、人間の尊厳を一つ失ったみたいだ。
俺はこみ上げる吐き気を抑え無理やり今後の事について考えはじめる。
付近に水場は無く、食料もあのゴミみたいな果物しかない。人間は三日間水が無いと生きていけない。タイムリミットは三日か?いや、何日寝ていたのかも分からないし、また体が動かなくなるかもしれない。時間も分からないから今が何時かもわからない。そもそも自転周期が地球と同じとは限らないから一日の長さもちがうかもしれない。さらに・・・
考えている途中で気が付いた。
人の下痢とはとてつもない匂いを発するものである。トイレの様に即、水に落としても匂うほど強力である。しかしその匂いがしない。乾いているからだろうか。いや、乾いていてもそれ相応に匂うはずである。どうしてだろうか?
好奇心を殺すことは出来ず、アレに顔を近づける。
あの匂いがしない。それだけではなく本当にカレーの香りがする。
俺は信じられなくてもう一度顔を近づけた。
またカレーの香りがする。
小学生のころ「ウンコ味のカレーか、カレー味のウンコ。どっちをたべる?」と質問したものだがこの場合はどうなるのだろうか。今のところはカレーの匂いのするウンコである。
カレーの匂いのするウンコ。この魅力に逆らうことは出来ず、恐る恐る触ってみる。乾いているためウンコなのか、カレーなのか触るだけでは判断できない。
床にこびりついたものを爪でこそぎ落としてみる。まだ判断はつかない。
どうしたものか、もう確認の方法がない・・・
いや・・・
あと一つだけある。最も確実な方法が。しかしそれだけはしたくないのだが、それは頭から離れてくれそうにない。そもそもこんな事を考えるだけで人間としては失格だろう。
先ほど尊厳を失ったみたいだと思ったのだが訂正しよう。俺は尊厳を失っていた。そして人間は一度尊厳を失うともう取り返せないらしい。
一度したのだから二度しても問題はないだろう。そう考えてしまう。
俺は覚悟を決めた。
その覚悟は決して軽いものではないが、一度目よりも早く決まった。いや、決まってしまった。
床からこそげ落としたときに爪に付着したものを・・・
俺は食った。
読んでいただきありがとうございます。後学のために意見等をもらえるとうれしいです。




