誕生日
この世に生を受けた日
あと何回迎える事が出来るのかな
今は震災で昔の跡形もなくなった土地で
小さな小さな母親が必死に産んでくれた
この生を受けた日
あとどれだけ迎える事が出来るのかな
鈍く重々しい灰色の今日の空に尋ねてみた
親愛なる皆の声が聞こえます
心を許せる皆が瞳に映ります
泥だらけでもいい
這い蹲ってでもいい
もっと生きたいと思う心があります
でも
でも、肩を叩かれて
この身体が土に返る時が近いんだよね
綺麗な花畑が広がって
透き通った小川が流れる
黄泉の故郷に
ううん
色んな人に迷惑かけて
自分勝手に生きてきたから
鈍く悲しい色をした
奈落の底かもしれないね
大好きだった祖父が
永遠の旅に出た時
悲しかったけど
寂しかったけど
ほんの少しだけ
嬉しかった
見ず知らずの人々が悲しんで
数え切れない程の涙があって
そして
先に旅立った大好きだった祖母の元に
逢いに行ったから
だから
あの安らかな顔が
笑っているように見えて
少しだけ嬉しかった
明日は晴れるかな
お日様が顔を出してくれるかな
あと何日晴れた空を見れるのか
判らないけれど
残された幾ばくかの日々を
精一杯楽しみたいから
明日は雲一つ無い空がいいな