7話 討伐任務
シルバー級になった俺は、ギルド掲示板を眺めていた。
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討伐任務
対象 オーク1匹
報酬 銀貨3枚
期限 1週間
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ーーオークか……
ルミナと一緒に討伐へ向かう。
森へ入るとそこにはオークがいた
ーー思ったより大きくないな……
だが、油断できない。小さいからこそ、小回りが効き危険だ。俺は、慎重に火魔法を準備した。
「ブレイズランス!」
火の槍を一点に集中させ、オークの頭部を狙う。わずかに外れ、肩に刺さったが確実に弱らせた感触があった。
「ルミナ、トドメを頼む!」
ルミナは光魔法、シャイニングストライクで光の刃を放つ。
命中すると眩い閃光が走り、一瞬俺の目をくらませた。
「やったぞ、ルミナ!」
倒せた安堵で息を吐く。
討伐の証として耳を持ち帰るだけだ。
だが……
地面がドンッ、ドンッと揺れる。
振り返ると、さっきの比にならない大きさのオークが立っていた。
そのオークは先ほど俺が倒したオークを両手で抱えそっと端に置いた。
抱えている腕が震えてる。その怒りが空気を震わせるようだった。
黒光りする筋肉、鎧のように厚い皮膚……目が合った瞬間、凍りつくような威圧感を感じた。
ーーまともに喰らえば一撃で終わる……
巨大オークが地面を踏みつけるたび、木々が小さく揺れ、枝が舞う。その振動が体の芯まで響くようだった。
俺は予知で動きを読み、ぎりぎりで身をかわす。
ルミナの位置は敵に気付かれていない。
念話で合図を送ると、ルミナが光の刃でオークの膝をかすめる。巨体がわずかに前のめりになり、足元の石が割れた――その隙だ
俺は魔力を集中させ、二重詠唱で火魔法を再び放つ。
「ブレイズランス!」
だが、炎は厚い皮膚に弾かれ、ほとんど効いていない。
中級魔法、インフェルノパイル――最近練習していた魔法だが、成功率は低い。
「インフェルノパイル!」
しかし魔法はうまく出ず、俺の胸は焦燥でいっぱいになる。
ーールミナだけが頑張ってくれている……
深呼吸してもう一度魔力を整え、ルミナの援助に合わせて再び唱える。
「インフェルノパイル!」
炎の柱がオークの足元に立ち上がり、地面を焼き尽くすような熱気と衝撃が伝わった。
巨体が前のめりに倒れ込み、ついに討伐に成功した。
巨大オークが倒れ、森に静寂が戻った。
震える手を握りしめながら、胸の奥で安堵と興奮が入り混じる。
俺たちはやり遂げた――初めての本物の戦いだった。
討伐の証として耳を取り、ギルドへ戻る。
2匹のオークを討伐したことで、追加報酬として銀貨2枚も支給された。
初めてのシルバー級討伐任務。手強い相手だったが、ルミナと共に成し遂げた達成感が胸に広がった。
*
任務の報酬で得たお金も、気づけばそれなりに貯まっていた。
俺は久しぶりに、王国の商店街へ足を運ぶ。
人通りは多く、露店の呼び声があちこちから聞こえてくる。
活気に満ちたこの場所を通ると、俺の胸が踊る。
俺は今まで、杖を使わずに魔法を撃ってきた。
だが、シルバー級になった今、討伐する魔物も強くなる。そろそろ装備を整えるべきだろう。
そう考えて、武器屋の扉を押した。
店内には剣や斧、弓、そして杖がずらりと並んでいる。
どれも簡単には手が出ない値段だ。
「安くても……銀貨5枚か」
小さく息を吐く。
俺の予算は銀貨20枚。余裕があるわけじゃない。
初めての武器選びということもあり、俺は店主に声をかけた。
「すいません。」
「おう、どうした坊主」
「杖を買いたいんですけど、予算が銀貨20枚で……おすすめの杖、ありますか?」
「そうだな。まずは坊主の実力を見せてもらおうか」
そう言って、店主は奥の部屋へ俺を案内した。
「あそこに、全力の魔法を撃ってみろ」
言われるまま、俺は二重詠唱でありったけの魔力を込め、火魔法を放つ。
「……ほう。坊主、二重詠唱ができるのか」
店主の目つきが、すこし変わった。
「ちょっと待ってろ」
数分後、店主は何本かの杖を抱えて戻ってきた。
俺はその中の一本を手に取り、試しに魔法を撃ってみる。
すると、いつもとは見違えるほど精度が高まった。
――すごい。
思わず余韻に浸る。
他の杖も試した末、俺は一本の杖に決めた。
値段はちょうど銀貨20枚。
初めての買い物にしては高かったが、少しも悔いはなかった。
会計を済ませたあと、店の奥に並ぶマジックアイテムが目に入る。
興味本位で近づくと、ひとつだけ視線を引きつけるものがあった。
「これって、何なんですか?」
「これはな、マジックバックって言って、見た目はただの革袋だが、中は異空間につながっている。
容量の限り、どんな物でも収納できるし、重さも感じない。
冒険者には必須級のアイテムだぞ」
値札を見ると金貨50枚の文字が。
ーー高すぎだろ…
銀貨1枚で1食分のパンを買えることを考えると、金貨50枚(銀貨5000枚分)だと約1600食分* になる。
そんなことを考えると、思わず苦笑してしまった。
他のマジックバックを見るが、一番安いものでも金貨2枚だった。
しばらく見つめていると、店主が声をかけてきた。
「坊主には、まだ少し高いだろ。
そうだ、もうすぐ建星祭があるだろ? 建国100周年の祭りだ。
その期間は全商品セールにするから、そこで買うといいぞ」
――建星祭か。その日までに金を貯めよう。
そう心に決め、俺は店を後にした。
読んでくれてありがとうございます。至らないところも多いと思いますが、お手柔らかにお願いします。
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* 日本円にして約75万円相当




