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5話 特訓

予知を使えるようになってから、俺はルミナと特訓を始めた。

俺は、ルミナと向かい合った。


「来い、ルミナ」


声をかけると、ルミナは左右に往復し、次の瞬間には二体に分裂したように見える。

視界が揺らぎ、頭の奥がきしむ。


「……くっ」


未来予知を発動している間、世界はいつも曖昧だ。

輪郭がずれ、現実が一拍遅れて追いついてくる。


ルミナが左へふわりと動く。腕を伸ばすが、少し遅れて届かない。

「くそっ、あと少しなのに!」


最初の頃は、予知をするだけで立っていられなかった。

視界が二重になり、強烈な眩暈に襲われ、その場に座り込むこともしょっちゅうだった。


それでも、毎日特訓を続けた。



特訓を続けるうちに俺は未来予知の大きな欠点を見つけた。


それは、魔力の流れを逆転させる以上、未来予知と魔法を同時に使うことはできない。

さらに、未来を先に読み進めるほど、魔力の消費は増え続け、体への負担も大きくなる。

未来予知は、先を読むだけではうまくいかない。あまり先を読みすぎると、逆に相手の動きのリズムがつかめなくなってしまう。



数日後には、二重に見える世界の中でもルミナの“本体”を見失わずに予知を使いこなせるようになった。


そして、俺はルミナの動きを完璧に読み、捕まえることができた。


「やった…」


心が高鳴る。


しかし、これで終わりじゃない。眩暈も疲労も残る――俺の特訓は始まったばかりだ。



予知にもだいぶ慣れてきた。


未来予知で相手の動きを読み、かわしてから魔法を撃ってみる。


すると、放った魔法は狙いから大きく逸れ、地面を抉っただけで終わった。


通りすがりの母が声をかける。


「アレン。どうしたの、そんなに外して」


俺は少し俯き、軽く答えた。


「いや、大丈夫だよ」


ーーいつもの俺ではない…


魔力が足りなかったわけでも、詠唱を噛んだわけでもない。

むしろ、体の奥にはまだ魔力が残っている感覚すらあった。


失敗の原因はすぐにわかった。

予知と魔法は、魔力の流れがまったく違うのだ。


らちがあかないため、予知から魔法への切り替えに慣れる練習をすることにした。


たったそれだけのはずなのに、思うようにいくことはほとんどなかった。


体調が悪いわけじゃない。

魔力が枯渇しているわけでもない。


なのに、うまくいかない。


最初の数日は、切り替えの瞬間に体がついていかず、腕が重く、足がふわつき、頭の奥には鈍い圧迫感が走った。まるで体が二つに裂かれそうになる――それでも、俺は集中を切らさずに練習を続けた。


その後も、倦怠感に包まれたり、熱が出て数日間練習できなかったりと、順調とは言えない日々が続いた。


ベッドの上で休みながらも、頭の中で切り替えの感覚を確かめる。少しずつだが、体が慣れてくるのを感じた。


ある日、熱も完全に引き、頭の整理ができたのか、切り替えが以前より滑らかになった気がする。

もう少し練習すれば、うまくできそうだ。


そこからは順調だった。

切り替えにも慣れ、俺は次のステップへ進めると感じた。


予知を使ってから魔法を放つ特訓だ。

最初試した時よりは精度が上がる。

俺は自分の成長を感じた。

だが、理想像を思い浮かべると、まだまだ遠い。


俺は特訓を続ける。

切り替え練習をやったおかげか、すぐにコツを掴めた。

それでも、俺はまだ練習を止めなかった。



来る日も来る日も、俺は未来予知と魔法の練習をしていた。


そんな日々を繰り返すうち、魔法もだいぶ扱えるようになった。

だが、そこで立ち止まるつもりはなかった。


母に相談し、さらに魔法を教えてもらうことにした。


「そうね……まず、魔法には階級があるのよ」


母によれば、魔法は以下のように分類されるらしい。


          初級魔法エレメンタル

          中級魔法セレスティアル

          上級魔法アストラル

          超級魔法アポカリプス

          伝説級魔法ミスティク

          神話級魔法アルカナ


今の俺は中級魔法までしか使えない。

聞いたこともない階級ばかりで俺は息を呑んだ。


母は続けて言った。


「二つ同時に魔法を放つこともできるのよ。それを練習しましょう」


俺は戸惑いながら尋ねた。

 

「二つ同時に……どうやるの?」


「魔力の流れを二層にする必要があるの。今のあなたは、一層しか持っていないわね。二層目を作れるかどうかが、魔法を極められるかの差になるのよ」と母は教えてくれた。


俺は深く息を吸い込み、二層目を作ろうと試みた。

当然ながら、最初は何もできなかった。


俺は毎日、母の指導のもと特訓を重ねる。

少しずつ魔力の二層目を意識できるようになった。完璧ではないが、同時に魔法を打てる感覚を掴む。その小さな達成感が胸を温かくした。


しかし、完全に層を分離することはまだできていない。母にそう告げられ、少し落ち込む。

できない自分が辛い。

何度も失敗し、魔力暴走をして、自分の体を壊しかけた。そのことが、母を付き合わせているように思い、自分が嫌になる。諦めそうになった。それでも俺は続けた。


ある日、魔力の流れが自然になり、二本に分かれている感覚が手に取るようにわかった。そのとき、嬉しい言葉を聞いた。


「アレン、完全に二層になってるわ」


その言葉を聞き、俺は続けて良かったと心から思えた。



後日、リーファ村の広場を歩いていると、ひときわ目立つチラシが目に入った。


「ギルドランク昇格試験、参加者募集!」


どうやら年に三回だけ行われる試験らしい。


――次の試験まで、残り二週間か。いや、二週間しかない。魔法も予知も、まだ完璧じゃない。間に合うのか…


そう思い、体が震え、汗が額を流れる。


試験では筆記もあるが、これまで本をよく読んできた俺には問題ないだろう。

しかし、魔法と未来予知の実技はまだまだ油断できない。


この二週間、体調管理に気を付けながら、俺はルミナと共に特訓を重ねた。

母との特訓もあって、魔法の精度は上がり、未来予知もだいぶ自在に扱えるようになった。

そして何より、ルミナとの連携力が格段に上がったことを実感していた。


そして、試験当日となる。

読んでくれてありがとうございます。至らないところも多いと思いますが、お手柔らかにお願いします。

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