幕間
「甜菜糖作り、結構大変だったね」
「ああ、そうだな……そういえば、この場所……」
「レインくんと最初に出会った場所だね! レインくん、元気かな?」
ナイトとリゼットがこの場所に瘴気を感じて訪れると、瘴気に侵され息も絶え絶えだったレインを見つけた。
リゼットは迷わずに、レインに万能薬を身体に振りかけた。
その後から、依頼の先でレインとよく会うようになり、臨時でパーティーも組むようになった。
「上級の万能薬を使った時、視たんだよな」
「うん、剣聖だった」
片腕を失ったレインに完成したばかりの上級万能薬を試したのは、ナイトも肝が冷えた。
「ミヒメは怖がるかもしれんな」
「魔の王になったら、ミヒメ、討たれちゃう。そうなったら、敵対しちゃうかも……」
「そのときはそのときに考えるさ。それよりも、もう会ってたりしてな」
「そうだったらいいな。前払いしてるから、わたしたちのときのように、隠蔽スキルで祝福してくれるといいな」
リゼットはそう言いながら、もんちゃんの葉っぱを撫でる。
「そういやレインは、行方不明になった年の離れた妹を探してるとか言ってたな」
「ヒナタとフウタと同じ年くらいだったような……」
レインが酒の席で溢した妹の話を思い出していると、もんちゃんの葉がまた光った。
光が収まると、リゼットの手のひらに種が落ちてきた。
「柚甜菜? 柚風味で心身の回復効果が高い砂糖も作れる甜菜、万能薬にも一匙加えると最適、だって」
「折角だから、ここで作っていくか」
「これでまた新しい万能薬、作れそう」
ウキウキしながら、リゼットは肥料を取り出し、臨時の薬草畑を作り上げていく。
ナイトも鍬を出して、土を耕していく。
「俺も鍬の扱いも慣れたもんだ」
「そうだね……なんか、もんちゃんが風というか土の噂で、聖女が一人、逃げ出したみたいだって、よっ!」
「こっちに向かってるんなら、保護もできるが……とうっ!」
ナイトとリゼットが耕した土にもんちゃんが種を蒔いていく。
二人と一本の柚甜菜作りが始まった。
まだしばらく、ミヒメたちと合流しそうにない。
ミヒメたちは、魔導具師のボウがいる村を目指して出発していた。
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