せんとう1
ミヒメたち一行は、サイレントから紹介された、くぅちゃんが自在に身体を小さくする魔導具を作ってくれるという『ボウ』の所へ向かっていた。
道中、何度も魔物と遭遇した。
守られてばかりのミヒメが、「ミミもいっしょにたたかう!」とお願いされてしまい、断れなかったヒナタとフウタは、仲良く連携を取りながら、襲ってくる魔物を倒していった。
くぅちゃんも魔物としての本能に目覚めたのか、強力な助っ人として、参戦していた。
どらちゃんも負けまいと、縁の下の力持ちとして様々な能力を駆使し、暗躍していた。
「ひーたん、足いたい」
くぅちゃんに乗ったり、自分の足で歩いたりを繰り返しながら体力をつけてきたミヒメの爪先に痛みが走った。
一同足を止め、通行の邪魔にならないよう端に寄った。
伏せをしたくぅちゃんの上にミヒメを乗せ、ヒナタはミヒメの靴を脱がした。
「……赤くなってるね。靴、小さくなっちゃったか。あっ、ズボンの丈も短くなってる」
「ひーたん、作ってくれる?」
「もちろん」
「ふうちゃも、ズボン……」
フウタは心ここにあらずといった様子で、空を見上げて立っていた。ミヒメのお願いにも反応を示さない。
「――フウタ! 具合悪い?」
「……い、いや、何ともない。ちょっと、ボーっとしてた。悪い……ミヒメ、ごめんな。えっと、どうした?」
ミヒメにジッと見つめられていること気づき、フウタは慌てて腰を屈めて、ミヒメと目線を合わせた。
「あのね、ミミのズボン……」
ミヒメはいつもと様子が違うフウタに戸惑いながら、目線をズボンに落とした。
「……少し短いな。そっか、背、伸びたか。お腹とかきつくないか?」
「まだ、ちょっとゆるいよ」
「なら、布レースみたいにしてつけ足すか?」
「うん……」
いつもより早口で、何か誤魔化しているような気がして、フウタがオシャレなズボンにリメイクしてくれるというのに、ミヒメはちっとも嬉しくなかった。
「在庫……なんかいいのあったっけか」
収納魔法の中身を確認している、フウタの目は閉じている。
「……ふうちゃ」
「ん、どうした?」
「えと……かわ、かわいくしてね」
「おう、任せとけ!」
今度はすぐに反応してくれて良かったと思いながらも、空元気にも見えるフウタにミヒメの心は晴れない。
それはヒナタも同じで、フウタが何かに悩んでいるのは間違いない。けれども、それが何のなのか自分にはさっぱり見当がつかないと、ヒナタも頭を悩ませていた。
「在庫が心許ないから、次の村で布や革、靴の材料を仕入れに行かないか。魔物の素材も結構溜まったし、商業ギルドなら大体の村にあるし、換金しようぜ」
「くぅちゃん、入れなさそうだったら、ボクは残るから、フウタはミヒメを連れて買い物してもらってもいい?」
「了解~。それにしても……最近、魔物、多くないか?」
「多いね」
「あっ、次、魔物と遭遇したら、オレが先頭する――で、いいだろ?」
「うん、いいよ」
微妙にぎこちないように見えてしまうヒナタとフウタをミヒメは心配そうに見つめていた。




