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この度、妹にペットされまして……双子の兄弟は先輩の大根と妹を愛育しながら旅をする!  作者: 三田黒兎素
第4章 せんとう

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初幕

「一匹、取り逃がした――フウタ!」


 (つの)を生やした兎の魔物が一匹、ミヒメを守るフウタに襲い掛かっていく。


「任せろっ!」


 フウタは顕現させていた得物で、角兎(つのうさぎ)を難なく屠った。

 倒された角兎は、二本の刃で瞬く間に解体され、家事スキルの収納魔法に収められた。

 家事スキルで重宝しているのは、この収納魔法だ。生活魔法でも収納魔法は使えるが、約畳2枚分――1.5~2㎡――が限界とされるのに対し、家事スキルの能力が上がれば上がるだけ、収納するスペースは畳だと100枚くらい拡大できると公表されていて、フウタは、その半分の畳50枚分まで収納できるようになっていた。

 フウタは畳100枚分の収納を目指して、日々、家事スキル能力を上げている――といっても、家事は嫌いではないが、別に好きでもない。ただ、得意なだけで、経験値を上げれば上げるほどに既存の魔法の質は上がり、様々な魔法も使えるようになるから、必要にも迫られて家事をしているにすぎない。


 ――鍛冶が良かった。


 戦闘の度に、フウタは心の中で呟く。

 家事はフウタの得意とするところではあるけれど、戦闘面に於いては、ヒナタの鍛冶スキルの方が適していた。

 父のナイトが使うような大剣は創れなくても、日常生活で使う刃物しか創れなくても、刃物を扱い方はヒナタの方が断然得意だった。得意故に得物も違うし、殺陣(たて)の腕も、フウタよりヒナタが上だった。

 ヒナタはサイレントたちが住まうワスレナグサ村を出てからは、魔物を見つけたら、一目散に駆けていく。最近は特に殺気立たせながら、魔物へと向かっていく。

 出遅れるフウタはいつもミヒメを守るように傍を離れずに、ヒナタが逃がした魔物を屠っていく。


「ごめんね、一匹、逃がしちゃって。フウタが倒してくれて助かったよ。ありがとう」


 ヒナタがお日様のような笑顔を向けながら、フウタたちの元に戻ってくる。


「いや、いいよ。オレの腕が鈍らない程度に、逃がしてくれて構わない」


 ヒナタを真っすぐに見れなくて、フウタは少し俯いた。


「だったら、次は交代しよっか。ボクがヒメちゃんの傍にいるよ」

「そうしてくれ……」

「あのね、ミミもいっしょにたたかう!」

「ウォン!」


 多分――次もヒナタはフウタを置いていく。そんな気がして、フウタは恨めしい気持ちを誰にも見せなたくなくて、俯いたまま顔を上げれなかった。

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