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この度、妹にペットされまして……双子の兄弟は先輩の大根と妹を愛育しながら旅をする!  作者: 三田黒兎素
第3章 てんさい

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冒険者登録と砂糖2

「――マジかよ! なんだって、そんな値段になってんだよっ!!」


 ミヒメの冒険者登録と白狼(くぅちゃん)大根(マンドラゴラ)のどらちゃんの従魔も無事にを終えた後、冒険者兼商業ギルドの受付横の売店にある砂糖の値段を見て、フウタは大声で叫んだ。

 貴重な薬草も採取でき、予想を上回る金額で買い取ってもらえた。余裕で砂糖を購入できるはずだった。それが、予想を遥かに超える、10倍もの値段に砂糖は高騰していた。


「フウタが大声を出してすみません……ところで、どうしてそんなに値段が高騰することになったのですか?」


 ヒナタは従魔の証となる耳飾りをくぅちゃんに着けながら、受付のカウンターで頬杖をつきながら渋い顔をしている父のナイトよりは一回りくらい年上だろうガタイが良く強面の冒険者兼商業ギルド長――サイレントに問いかけた。

 ミヒメは砂糖が買えないショックもあり、気もそぞろで、どらちゃんの従魔証の足環の装着に手こずっている。初めて見る強面の大人の男性に慣れなくて、少し、震えているのもあるかもしれない……。

 冒険者登録には登録者の少量の血液が必要で、サイレントに針を刺されたとき、酷く怯えていた。

 従魔たちの飾りは、ミヒメが主人であることが分かるように、先程冒険者登録を済ませたミヒメの左腕に装着されているヒヨコ色の腕輪と同じ色で、魔導具で描かれた、一見、どらちゃんを思わせる紋様が刻まれている。従魔も血液が必要かと思ったが、大根(どらちゃん)はエキスでも問題なく登録できていた。

 余談として、ヒナタとフウタの胸にある契約紋と一致していて、登録時に描かれていく紋様を見て、兄弟は顔を引きつらせていた。


「先ず――サトウキビ畑を栽培している村が壊滅した。浄化もままならず、復興の見通しは立ってない。下手すると、再興は数年後になるやもしれん。次に――養蜂スキルを持つ者が数人、行方不明になっている。最近は草花の生育も悪く、ミツバチの数も減っているらしく、居を別に移したのもいるかもしれんが。そして、最後に――ハチミツで有名なハニーダンジョンが大崩壊した」

「はあ、嘘だろ――!?」


 サイレントの絶望的な返答に、フウタは頭を抱える。

 あともう少しで嵌められそうだというところで、ミヒメの手から、どらちゃんの足環が、コロコロンと床に落ちて転がっていった。ようやっと足環が装着する直前で、どらちゃんが動いてしまったらしい。ミヒメもどらちゃんも、上乗せされた悲壮感で打ちひしがれている。


「顕在しているサトウキビ畑のほとんどは神聖教会直轄で、独占販売しているからな……」

「――チッ!」


 フウタは内心で「また神聖教会かよ」と毒づき、舌打ちを鳴らした。

 それはヒナタも同じで、舌打ちこそ出さないものの、神聖教会への恨みつらみを募らせていた。それどころか、サイレントの話を聞けば聞くほどにどんどん恨みは積み上がっていく。


「ハニーダンジョンを運営していた町長と教会の間にトラブルが起きているという噂もあったもんで、教会側が何かをやらかしたんじゃないかって、ダンジョン管理不備も問題視されている」


 ハニーダンジョンの町も壊滅したことで、町長も一緒に亡き者となっているため、ダンジョン大崩壊の真相は闇に葬られてしまっている。

 ダンジョンの多くは、ダンジョンコアの封印を施して、神聖教会側が管理している。

 ダンジョンには豊富な資源もあることから、ダンジョンコアを壊せないのだから、有効活用しようということになり、ダンジョンコアを用いて、敢えてダンジョンを造った街もあれば、創られたダンジョンの周辺に人が住み、村や町、街を興してもいる。

 いずれにしても、村や町の長や、街なら領主が責任者となりダンジョンを運営し、冒険者ギルドが冒険者を募り、魔物の討伐や薬草採取の依頼など、下請けを担う、そのようなシステムになっている。


「それで、こっちも被害被っているわけだ。ホント、迷惑な話だよ。近頃は、薬草類の質も落ちてるし、マナーの悪い冒険者もいて、根こそぎ薬草採取するもんだから、群生地も減ってるんだよ。だから、お前さんたちには感謝しているんだ。本当はもう少し色を付けたかったんだけどよ、この村じゃ、精一杯だったもんで、その代わりに、家に泊まりに来ないか? ウチのカミさんが品種改良した薬草で煎じた、ほんのりと甘い茶も出すぞ。どうだ?」


 サイレントからは、特に悪意は感じなかった。薬草買い取りの話から、正直者であるように見受けられた。

 どうやら、この村では流行り病に罹り、宿屋の女将も軽い風邪で寝込んでいるらしく、休業中だった。

 そして、その風邪の特効薬となる薬草を持ってきたミヒメたちは大変歓迎された。

 ヒナタとフウタは、「甘い茶」で顔をほころばせるミヒメを見て、従魔たちも反対する様子はなかったことから、サイレントの世話になることにした。


「カミさんも喜ぶぞ~ウシシ」


 ミヒメたちが採取した薬草を手に持ち、ご機嫌なサイレントの後をついて、本日の宿に向かった。

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