表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この度、妹にペットされまして……双子の兄弟は先輩の大根と妹を愛育しながら旅をする!  作者: 三田黒兎素
第2章 まおう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/61

終幕

 ミヒメは白狼(くぅちゃん)に乗って、獣道を進む。


「ふん、ふん、ふ~ん」


 その前後を、フウタとヒナタに囲まれて、ミヒメはご機嫌に鼻歌を歌う。

 くぅちゃんの乗り心地も抜群で、ミヒメが乗りやすいように、落ちないように、くぅちゃんの胴体には安全具(ハーネス)が装着されていた。もちろん、ヒナタのお手製だ。

 くぅちゃんの額には、こちらも同じくヒナタお手製の額飾り(サークル)が装備されている。

 ただ、どちらもまだ、未完成なのだと、ヒナタは納得しない顔で、休憩の合間にくぅちゃんの身体に触れて、不具合がないか確認している。


「ミヒメが怪我したら、大変だからね」

「ウォン!」


 大丈夫だよ、とでもいうかのように、くぅちゃんは勇ましく吠えた。

 怪我も治り、額飾りが一番のお気に入りのようで、ミヒメを乗せて軽やかに歩く。


「森の中を抜けるまで、ミヒメをよろしくな、くぅちゃん」

「ウォン!」


 くぅちゃんは宝石獣(カーバンクル)になった。

 くぅちゃんと呼ばれると、嬉しそうに鳴く。もっと呼んでと。

 くぅちゃんの宝石は、どこにでも転がっているような灰色の石だけど、くぅちゃんにとっては、大切な宝石だ。


「本物の宝石だと、盗まれたら大変だし、宝石獣だとバレたら、捕まえられちゃうからね」


 ヒナタ曰く、後で、石をピカピカに磨くということだ。


「森を抜けたら、ミヒメはちょっとだけ歩こうな」

「うんっ!」


 途中で疲れて歩けなくなっても、置いて行かれることはないと思うと、ミヒメは素直に返事できた。



 森を抜けて、少し離れたところで足を止めて、振り返った。


 ――キィィィーン。


 僅かに空気が揺らいだ。


「新しい結界が張られたみたいだね」


 夜な夜な聖霊樹の枝を増やして、せっせとせっせこと植えていた、どらちゃんは、ポシェットのポケットの中でお休み中だ。


「今度来るときは、あの場所を見つけることはできないだろうな」


 少しだけ寂しさを感じながら、


 ――誰にも見つかりませんように。


 3人の兄妹は森に手を合わせて(ねがい)()せた。


「ウォーン、ウォーン」


 ――同じになれたよ。


 白狼(くぅちゃん)が青空よりももっと高い天に向かって大きく吠えた。

 白いモノは宝石獣だった。

 くぅちゃんは同じにはなれなかったけど、ヒナタのおかげで、石を額に着けることができた。

 くぅちゃんにとっては、宝の石だ。だから、くぅちゃんは宝石獣だ。

 首輪には、白いモノが生きていた証をフウタが飾り着けてくれた。

 だから、もう寂しくない。

 新しい家族もできたから。

 白いモノも安心して還っておいで。家族になろう。


「アォーン、アォーン」


 ――待ってるよ。


 くぅちゃんの声が天に届いたのか、モコモコしていた雲が白いモノに似た形に変わっていった。

 森の出入り口には、小さな獣たちが、ミヒメたちを見送るかのように姿を現していた。

 その額が、小さく光る。

 生まれたばかりの宝石獣たちが空を見上げて一斉に鳴いていた。

次章は大根活躍します。

引き続きご覧いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ