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通学路

学校へは電車3駅と家から駅、駅から学校へは徒歩で通学している。

正直自転車でも通学は可能だが、あまり駐輪場の数が多くないこと、学校の手前に長い坂道があることから自転車を選ばなかった。


昨年は妹が小学生だったため、下校時に時より出会う事があったが、今年から中学にあがり今日から部活が始まるそうだ。


(下校時もう出会うことはないだろうな)

小学生たちが横を通り過ぎ、少し先の分岐路で「バイバーイ」と声がした。


駅から5分ほど歩くと住宅街に入る。

時間にもよるのだが、下校時刻にはほとんど人気がない。


ぼーっと歩いて居ると電柱かポストか道の脇から人影が飛び出してくるのが見えた。


「私と一緒にニセモノを探してくれないか?」


自分に話しかけて来たその人は見知った顔だった。

容姿端麗学問優秀で名高い生徒会長、桜井実久梨(さくらいみくり)

普通に生活していたらまず関わりのない人物である。

「えーっと、人違いですか?探し物?この近くでなにか無くしたとか?」

確証をもって人違い。そう思った、いや、そう思いたかった。


「人違いなどではない、私は君に話があるんだ、2年4組齋藤青葉くん。これは君にしか頼めないお願いだ。」

人違いではなかった。

間違いなくいま、俺の名前が会長の口からこぼれ落ちた。

大体、親しくもない人に頼み事をされるほどできた人間でもなければ、それを引き受けるほどお人好しでもない。

その上第一声がよく分からないときた。

この場を逃げたい気持ちでいっぱいになり、会長の横を通り過ぎ、咄嗟に家に向かって走り出す。

「お、おい、待ってくれ……」

なにか聞こえたが聞かなかったことにしよう。


まるで不審者にでも出くわしたかのように慌てて自宅に入り鍵を閉める。

(今のは一体何だったんだ。)

これは夢だ。


そう思うことにした。

きっと明日になれば全てなかったことになる。

今はそう思う事にした。


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