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隣の席の美少女転校生の家がダンジョンだった件~謎の世界ランカーが一家揃って隣に越してきました。美少女に懐かれて気付いたらつよつよアイドル探索者って……何で!?~  作者: 八月 猫
第1章 隣の席の転校生は黒髪ロングの超絶美少女

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第7話 転校生は頼もしい?

「鈴原――鈴ちゃんだったわよね。どうぞ、ゆっくりしていってね」


 小鳥遊さんのお母さんはそう微笑みながら、私の前にティーカップを置く。

 見た目から紅茶かな?と思っていると、立ち昇っていた湯気が私の鼻腔へと届き、それはやはり紅茶の良い匂いがした。


「阿須奈が昨日帰って来てからずっと、学校で友達が出来たって凄くはしゃいでたのよ」


 次に出てきたのは、縁におしゃれなデザインの入った小皿に乗ったモンブラン。


「どんな子なの?って聞いても全然教えてくれなかったのはこういうことだったのね」


 突然お邪魔したのにこんなにすぐにモンブランが出てくるということは、これは本来誰かが食べるはずのモンブランのはずで、そのモンブランを今から私が食べるという事は、その誰かがモンブランをブランブラン出来なく……。


「ブランブラン?鈴ちゃんそんなにモンブラン好きなの?」


 違います。

 目の前のモンブランに意識を集中することで現実逃避しているんです。

 顔を上げたら、どこを見てもダンジョンの中にいるってことを思い知らされちゃうんです。


「でも、驚いたでしょう?」


 はい、生まれて初めてモンブランに現実逃避するくらい驚きました。


「この子の部屋までが遠くて」


 そうじゃない。

 そこは驚いてない。

 近いか遠いかって聞かれても、私ダンジョン基準知らないから。


「少し前は私たちと同じ部屋で寝てたのに――」


「ちょ!お母さん!」


「高校生になった途端、急に自分の部屋が欲しいって言って、こんなところに部屋を作っちゃったのよ」


 年頃の娘とそのお母さんとの普通の会話に聞こえるんだけどなあ。


 でも、ここはダンジョンの中なんだよなあ。

 自分の部屋持ってるのは、そこのボスとかだけなんじゃないかな?


 あ、そうか……。

 だから「私の部屋は大丈夫」、なんだ……。

 うん、ボス部屋に雑魚モンスターは入って来ないよね。


「もう良いから!お母さんは早く出てって!!」


 小鳥遊さんはお母さんの背中を押して、部屋から押し出していく。


 ん?いつの間にお母さんとこに移動した?


「はいはい、お邪魔しましたー。鈴原さんはゆっくりしていってねー」


 小鳥遊母は背中を押されながら、おちゃらけた感じで退場していった。



 それから私たちは何気ない話をした。


 小鳥遊さんにとっては、私が聞いてくることをニコニコと答えるだけの何気ない話。


 でも、私にとっては少しでも安心を得るための、生き残るための知識を仕入れているような時間。


 私たちの間にある感情の温度差?高低差?寒暖差?

 まあ、なにせ、そこには非常に大きな隔たりがあった。


 そして分かったことベスト3―!!


 第3位―!!

 ダンジョンの壁にコンセントを差し込むと電気が繋がっていて、家電は全て使えるということ。

 冷暖房完備で全て無料の快適ハウス。

 どこから電気が来ているのかは不明。


 第2位―!!

 水道も電気と同じでどこからか水が出てくるということ。

 キッチンやトイレ、お風呂も大丈夫。水道代も無料で超お得。

 しかし、排水された先がどうなっているのかは不明。


 そして、栄えある第1位―!!

 地下は100階以上あるかもという、まだ誰もその底を見たことがないという大豪邸!!

 使い放題の空き部屋が各階にあって、部屋へと続く廊下も広く綺麗で、天井は息苦しさを感じさせない快適な高さ。

  ただし、居住区に関しては先住モンスターとの兼ね合い必須。

 

 怖さが増しただけだったね。


 これが分かったところで、私の生存確率は1%も上がりゃしないよ。


 2位と3位の状況を受け入れて、平然と暮らせている家族と分かち合うなんて不可能だよ。


 1位なんて問題外も問題外。

 先住モンスターって何!?大航海時代か?


 迷子になったら最後……いや、迷子になるまで迷える気もしないね。


 そんな話をしていたら、とうとう最悪の瞬間が来てしまった。

 もう少し早く帰ると言うべきだった……。

 今から急いで帰るべきか……いや、一人で走ってダンジョンを抜けるなんて……それこそちびる。


「阿須奈…ちょっとおトイレ借りたいんだけど?」


 小鳥遊さんがいれば辿り着けるはずだ!!

 この家のトイレへ!!


「いいよ。じゃあ一緒に降りようか」


 しまった!!そのパターンがあった!!


「えっと……降りる?」


「うちのトイレはこの下だから」


 地下3階!!


「あ、ここから階段近いから、鈴ちゃんの足でも5分くらいで着くよ」


 ちょっと近くのコンビニの距離!?


「あの…一応聞くんだけど……モンスターは?」


「ん?出るけど?あ、でも、私も行くから全然大丈夫だよ!鈴ちゃんはさっきと同じように私の後ろにいてくれたら、全部私が護ってあげるから!」


 それは女子高生の台詞ではありませんよ。

 勇者とかが言うやつです。


「さあ、いざ!トイレへ!!」


「え?本当にトイレ行くんだよね?魔王と戦うとかじゃないよね?」


「え?魔王はもういないってお父さんが言ってたから大丈夫だと思う」


 まさかのすでに討伐済み!?


「あ、でも、何匹か倒したって言ってたから、まだ残ってるのがいるかも……」


 あ、魔王って1匹2匹って数えるんだ。

 感覚が害虫駆除みたいだねえ。


「さ、鈴ちゃんが漏らしちゃう前に行こう」


 その話ですでに危なかったのは内緒ですよ。




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