表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隣の席の美少女転校生の家がダンジョンだった件~謎の世界ランカーが一家揃って隣に越してきました。美少女に懐かれて気付いたらつよつよアイドル探索者って……何で!?~  作者: 八月 猫
第3章 カレンダーズ本格始動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/62

第44話 オーガの脅威

「う、動くな!!大人しくその子たちを解放しろ!!」


 私たちを取り囲むサングラスに黒スーツの大人たち。そして向けられた無数の銃口。

 ここって日本だよね?




 ダンジョン課の向田むこうだという人と会う日がきた。

 私、空、みらん、宇賀神うがじん先輩、ゆめちゃん。そして東海林しょうじ先生の5人は、放課後、学園の裏門で迎えが来るのを待っていた。

 みらんは退学した身なのに、ちゃっかりと制服を着て混ざっていた。

 そしてやってきたのは黒塗りのバン。

 普段はあまり見かけないけど、テレビで芸能人がロケで移動する時に乗っているような大きな乗降口の付いた大型のバンだった。

 全ての窓には濃いスモークが貼られていて中は全く見えない。

 その中から東海林先生と見た目が同じくらいの年齢に見える女の人が降りてきた。

 ピシッとした紺のスーツに細い銀縁の眼鏡。いかにも仕事出来ますよという感じ。


「カレンダーズの皆さんと東海林教諭でしょうか?」


 私たちを見ると、落ち着いた丁寧な話し方で話しかけてきた。


「はい。私が顧問の東海林で、この5人がカレンダーズです」


 東海林先生が顧問らしく対応する。

 もし先生がいなかったら私がやらなきゃいけなかったんだろうか?

 3年生の宇賀神先輩がいるけど、一応会長の私が…いや、いつの間にかカレンダーズのリーダーになってたみたいだから、そういう意味でも私の役割だったんだろうなあ……。


「私、ダンジョン省の栗花落つゆりと申します。今回は皆さまの案内役として参りました。よろしくお願いいたします。では早速ですが目的地までご案内いたしますのでご乗車ください」


 もしもこれが全部詐欺だったなら、私たちはこれからこの如何にも感溢れる怪しげな車で誘拐されてしまうんだな……。

 助けを求めようにも外からは中見えないもんなあ……。


 そんなことを思っていたら、東海林先生がすでに乗り込もうとしていた。

 入り口から中を覗き込む。そして私たちの方を向いて頷いた。どうやら先に中に何かないか確認してくれていたようだ。

 さっすが先生!!


「では発車します」


 運転席にいたサングラスをかけた男の人がそう言うと、バンはゆっくりと走り出した。

 もう、何から何まで怪しさ満点のバスツアー。

 そしてちょうど阿須奈から連絡が入った。


「この後、小鳥遊さんのお宅に寄って、小鳥遊さんとそのお父様と合流するでよろしいですか?」


「はい。それでお願いします」


 真ん中に通路があり、その左右に二人掛けの椅子が並んでいる。

 私たちは出来るだけ後ろの方に固まって座っていた。

 自ら逃げ場を塞いでいくスタイル!!


 学園を出て5分ほどで阿須奈の家が見えてきた。

 隣が私の家なので、ここで降ろしてください。送ってくれてありがとうございまいた。なんて言いたい気持ちが全くなかったとは言えたり言えなかったりする。


 阿須奈だけは最初から家に帰っていてもらって、戻って来たお父さんを引き留める役目をしてもらっている。

 そう。迎えに行くまで家の中に入らないようにと。


「では、私はお2人をお迎えに行ってまいりますので」


 栗花落さんがそう言うと、バンの扉が開いた。

 そして降りていく栗花落さん。

 そして聞こえてくる悲鳴。

 悲鳴を聞いて飛び出していく運転手。

 そしてまた聞こえてくる悲鳴。


 さて、4人を迎えにいくか。




 阿須奈たちと合流して更に1時間ほど車に揺られる。

 千代田区にあるダンジョン省。

 その周辺は刑務所か!とツッコミを入れたくなるほど高い壁に囲まれており、入り口には漫画でしかお目にかからないような分厚い鉄の扉があった。

 運転手が守衛の人に何か話すと、その鉄の扉は大きな音をたてて開いていく。

 車はゆっくりとした速度で敷地内に入ると、正面に大きな建物が見えた。

 その前には黒服の大勢の人。

 多分あれが私たちを出迎えてくれる謎の秘密結社の人たちに違いない。


 車は建物の入り口前に横づけにされ、乗降口の扉が開く。


「ど、どうぞっ!と、とうひゃくいたひましたっ!」


 何かに怯えて嚙みまくりの栗花落さん。

 最初に見た出来る女の雰囲気はどこに落としてきてしまったのか。

 ああ、阿須奈の家の前だ。



 車を降りた途端に囲まれる私たち。


「う、動くな!!大人しくその子たちを解放しろ!!」


 そしてこの状況である。




「ま、待ってください!!」


 私たちの前に出て両手を広げる栗花落さん。


「この人はオークではありません!!」


 そんなことは一言も言っていないぞ?


「栗花落!そこをどけ!」


「向田さん!落ち着いてください!この方は小鳥遊さんのお父様です!!」


 私たちに正面から銃を向けているオールバックに薄い色のサングラスをかけているイケオジが向田という人らしい。

 向田さんも別に狙っているのが小鳥遊父だとは言っていない。


「何を言っている!どこをどう見てもオークじゃないか!それも凶暴なハイオークだ!」


 なるほど、ハイオークというものはスーツを着てネクタイを締めてダンジョンを徘徊しているのか。


 まあ、こうなることは予想済み、というか、そうなるだろうと思って小鳥遊さんのお父さんに同行してもらったんだけどね。

 まさか銃を向けられるとは思ってなかったけど。


 そのハイオー…お父さんを見ると、何が起こっているのか分からずにキョロキョロしている。

 でも、銃を向けられているということ自体には怯えているような感じはしない。

 まさか銃如きでこの体に傷一つでもつけられると思うなよお!!的な感じなのか?


「本当す!!よく見てください!!ハイオークよりも少し、ほんの少しだけ小さいですし、顔も人間に近いでしょう!」


 失礼にもほどがある。


「そ、それに!ちゃんと服を着ています!!」


 そこに何故最初に気付かないのか?

 あと少しで本当にハイオークがスーツを着ているのかと思うところだったぞ。


「……本当だ」


 何やらショックを受けている様子の向田さん。

 周りの黒服たちもざわざわしている。

 お前たち全員サングラスを取ってよく見ろ。夕方にそんなもん着けてるから見えないんだよ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ