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隣の席の美少女転校生の家がダンジョンだった件~謎の世界ランカーが一家揃って隣に越してきました~  作者: 八月 猫
第2章 隣の席の転校生は超カワ華麗な配信者

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第35話 転校生は素性を知られる?

 どこに行くんだろうと思いながらも、私たち3人は東海林先生の後をついていった。

 職員室を出て階段を下りる。校舎を出て渡り廊下を歩く。私たちの教室のある棟を抜けて、体育館のある方へと向かっていく。

 遠くない?どこまで行くの?別に職員室でも話をするだけなら問題なかったと思うんだけど。

 そして体育館横の学食のある3階建ての棟へと来た。

 この間、先生は一言もしゃべらない。私たちもその重い空気を破ることが出来ず、誰も声を発さないまま歩いてきた。


 学食の入り口横にある階段を上っていく。入学してから今まで一度も使ったことのない階段。当然この上に何があるのかは知らないけど、少なくとも移動教室などで使うようなところではないのだけは分かっていた。


「ここよ。入りなさい」


 3階まで上がった先にある廊下。左右に4つの扉があり、先生はその左奥の部屋の扉を開けてそう言った。

 こちらから見える部屋の中は真っ暗で何も見えない。


 先に入った先生が部屋の電気を点ける。

 明るくなった部屋の中は周囲を本棚に囲まれており、古い本の独特の匂いと、どこか埃っぽい匂いがした。

 部屋の奥には暗幕のように黒いカーテンがあり、部屋が暗かったのはそういうことだったようだ。


 長机が横二列、縦四列で並んでいて、先生はその一番手前の机に座った。

 本当に机に座った。お尻を乗せて、足を組んで。

 何で?椅子あるよ?

 タイトスカートからめっちゃ太もも見えてるよ?


 一瞬私も向かい側の机の上に座るべきかと迷ったけど、そんなわけないと二人とアイコンタクトで通じ合った。

 普通に机を挟んだ向かい側の丸椅子に座った。これでくるくる回るのが子供の頃は大好きだったなあ。


「鈴原さん。回るの止めなさい」


「あ…すいません……」


 子供の頃は大好き。今も好き。



「で、異文化交流研究会、でしたか」


「いえ、異文化探求研究会です!」


「阿須奈、違うよ。異文化発掘研究会だよ」


 空が訂正するが、私にはどれが正解かすでに分からなくなっている。

 全部似たようなもんじゃない?


「異文化発掘――ですか。それがダンジョンの研究だと?」


 東海林先生の鋭い視線が私たちを貫く。

 怖い怖い怖い。ゴーゴンか……。


「は、はい!私たち、ダンジョンに興味がありまして!それで研究会を作って研究会で研究したいと考えておりますです!」


「空ちゃん落ち着いて!」


「空、日本語がめちゃくちゃになってるよ」


 まあ、それでも、今の石になりそうな視線を受けて、返事出来た勇気は凄いと思う。


「なるほど、あなたたち3人がねえ……」


 そう言うと、特に何の感情も見て取れないような顔で、ゆっくりと私たちを見回してくる。


「本当は4人じゃないのかしら?」


「え?」


 いや、どう見ても3人でしょ?

 私、阿須奈、空。ほら3人。4人目はいませ……まさか、見えちゃいけないものが見える系先生ですか?!


「えっと、それはどういう……」


 空がそう口を開いたと同時に、東海林先生はスマホの画面を私たちに見せてくる。

 そこに映っていたのは――


「――!?」


 3人ともあまりの驚きに声が出なかった。

 そう、そこに映っていたのは、カレンダーズのチャンネル画面だった。



「これ、あなたたちよね?もう一人のCGっぽい子は、少し前に学園を辞めた畑野さんね。声で分かったわ」


 嘘でしょ……みらんのことまで気付かれるなんて……。

 いや、そもそも何で東海林先生がカレンダーズの事を知ってるの?

 こんなの見るタイプじゃないじゃん!!

 どうする?どう誤魔化す?結局はしらを切り通すしかない!!

 私たちじゃない。似てるかもしれないけど、目元だけしか見えてないんだから誤魔化せないことはないはずだ!!え?畑野さん?誰ですそれ?

 よし!!いける!!


「あ、あの、それって――」


 計画完璧。準備万端。泰然自若。

 そして意を決した私が口を開いた瞬間――


「東海林先生凄いです!みらんちゃんのことまで分かったんですか!!」


「おふっ!!」


 敵は身内にいたか……。


「やっぱり。畑野さんのことは辞める時にいろいろと相談にのってましたからね。声にも特徴がありますし。あなたたちは……逆に何故気付かれないと思っていたのかが不思議でしょうがないわ」


 いや、完璧な変装だと思いますけども?!

 それと、みらんが仁王様に相談?何でまた自ら恐怖体験をやろうと思ったのか。


「あの…そんなにバレバレですか?」


 空も気付かれたことが不思議のご様子。

 あのカレンダーズの正装を提案してきたのは空だから、あれでバレるとは思っていなかったのだろう。


「まあ、見た目じゃ特定は出来ないわね。さすがに目元だけじゃ分からないわ」


「え?じゃあ――」


「阿比留さんはソフトボール部で練習してた時と同じトーンの声でしゃべっているし、美人の小鳥遊さんは目元とその長い髪だけで十分よ。で、特定できた一番の要因は――鈴原さん、あなたはカメラの前でおどおどし過ぎ。あなたが私の前に立った時と全く同じに見えたわよ」


 決定打は私だった!?


「別にダンジョンに入ること自体は校則で禁止されているわけじゃないから怒りはしないけど。――ストレートに聞くわ。あなたたちが研究会を作る本当の目的は何?すでにあなたたちは普通の探索者以上の力を持っているのに、何故学園で研究会なんて作ろうとしているのかしら?」


 正直に言って怒られないかな?ダンジョンに入るのは禁止されてないけど、危険なのは間違いない。そんなところに撮影スタッフとしてのメンバーを集める為とか言ったら……。

 でも、カレンダーズの事はバレちゃったんだから、今更誤魔化しても仕方ないか。


「カレンダーズのスタッフを集める為です」


 私ははっきりとそう言った。

 ちょっといろいろ考えるのがめんどくさくなってきたってのもある。


「スタッフ……。それは動画の撮影とか編集に携わる人をという意味ですか?」


「編集はみらん――畑野さんがやってくれてるので、現場で撮影を手伝ってくれる裏方さんを集める為です」


「現場、つまりダンジョンに一緒に入って活動する人ということね?でも、わざわざ研究会を作ってまで集める必要があるのかしら?知り合いに声をかけ――」


「私たちは友達が少ないんです!」


 はっきりと言ってやった!!


「……えっと、何かごめんなさいね」



 そこで謝られると私は泣くぞ?良いのか?




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