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隣の席の美少女転校生の家がダンジョンだった件~謎の世界ランカーが一家揃って隣に越してきました~  作者: 八月 猫
第2章 隣の席の転校生は超カワ華麗な配信者

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第26話 転校生はまた仲間を増やす?

「みらんちゃん!さあ入って!入って!」


 私たちの第2回目の動画が配信された日の放課後。

 畑野みらんに連絡を取って集まった、例の如く部活をサボった空を含めた4人。

 そして今から阿須奈の家での恒例の儀式が始まろうとしていた。


「え……」


 玄関を入ったところで絶句するみらん。

 私はその背後で準備をする。


「――ええ!?」


 一通り玄関ホールを見回した後、予想通りに振り返って玄関を飛び出そうとするみらん。


「はいはい。もうそういうの良いから」


 私はそう言ってみらんを表に出さないように両手を広げて通せんぼした。


「そういうのって!?ちょっとそこどいてよ!!」


「ああ、畑野。本当にそういうのは良いから。早く入ろう」


 空がみらんの肩に手を置いて、ため息交じりにそう言った。


「ちょっと!阿比留まで何でそんなに冷めた反応してるのよ!?これどうなってるの!?」


 うるさいなぁ。

 もうそれ3回目だから、これ以上同じリアクションは必要ないのよ。

 早く入った入った。


「そう!私の家はダンジョンになっているんでーす!!」


「阿須奈……。まだ畑野は何も言って無いぞ……」


 おっと、私たちのせいで阿須奈の決め台詞が空振りしたぜ。




「家が…ダンジョン……?」


 阿須奈の部屋へ向かう道すがら、私と空がこの家の事について説明をしている。


「ああ、それで私たちはここで動画撮ってんだよ。他に人がいないからやりやすいし、終わったらすぐに帰れて便利だろ?」


 そんな田舎のコンビニみたいなものじゃないぞ?

 客はいないが敵意を持った店員がうじゃうじゃ出てくるんだぞ?

 今も阿須奈が見えない動きでスライム掃除してるんだぞ?


「入った瞬間は小鳥遊さんの家って思ってたよりもちょっと大きいんだって思ったんだけど……ダンジョンに住んでるねぇ……」


 ちょっとじゃねーし。

 そりゃあ、こないだ行ったあんたの家も広かったさ。

 でも、一般庶民の心を、お嬢様の感覚でナイフを突き刺してこないで欲しいものだ。


 話をしながらも通路のあちらこちらをキョロキョロと見ている。

 まあ、気持ちは十二分に分かるんだけど、首を振る度にツインテが私の顔を往復ビンタしてるんだが?

 高級そうなシャンプーの匂いがしてるんだが?


「痛っ!!何!?」


 急にみらんが悲鳴を上げる。

 どうしたどうした?


「鈴……お前、そんなに腹減ってたのか?」


「ふへ?ほうひゅうひみ?」


「鈴原!!何で私の髪を食べてるの!?」


 それは、そこに髪があったからに決まっている。



「で、私をわざわざ呼び出したって事は、こないだの答えを聞かせてくれるのかしら?」


 阿須奈の部屋に着いて開口一番、みらんはどんな答えが返ってくるのか分かっているかのように自信満々にそう言って胸を張った。

 ――勝ったな。


「……なんで鈴原はそんな憐れむような目で私を見てるのかしら?」


 そりゃあ、そんな慎ましやかなものを見せられたら、いかな私とて憐憫の情を抱くというものですよ。


「……認める」


 空がどこから出したのか分からないくらいの小声でそう言った。


「何て?」


「何で鈴が追い打ちかけてくるのよ……」


 だってはっきりと聞き取れなかったんだもん。

 認めるとしか。


「……認めるって言ったんだよ。確かに畑野の編集力は凄かった。いや、それは動画を上げる前から分かってはいたんだけど、実際にリスナーの反応がめちゃくちゃ良かった」


「撮影の時から私が関わってたら、もっと良いものになったんだけどね」


「……それも認める。私たちも最初から編集の出来る人員が足りてないって事は分かってたんだ」


 それで3人で練習していこうという話にはなっていた。

 2対1の多数決制で……。

 でも――


「じゃあ、空ちゃんもみらんちゃんが一緒にやるのに賛成してくれるのね!」


 みらんが仲間になるなら、その問題は一気に解決することになる。

 そう、全てが一気に……。


「こいつは性格が……あれだけど、そんなこと言ってたら前に進めないしね」


「やったあー!!」


 阿須奈は一緒にやる友達が増えたことが嬉しいらしい。

 もちろん私も嬉しい。


 よし!!

 私は心の中でガッツポーズを取る。


 阿須那――戦闘要員。

 空――解説要員。

 デコポン――撮影&編集要員。


 とてもとても残念なのだが、これで私の役目が無くなってしまった。

 あー残念。どうやら私はここまでのようだ。

 これから私は3人の活躍を草葉の陰から見守っているよ。


「鈴――お前、死ぬんか?」


「え?私は200歳まで生きる予定だけど?」


「鈴原、私が入ったからっていっても、あなたの仕事が無くなるわけじゃないわよ」


「鈴ちゃん!これからは私たち4人で頑張っていくんです!」


 ん?また心の声が表に出てた?


「阿須奈――戦闘要員。のとこからな」


 全部じゃん……。


「こないだの編集をしてて小鳥遊がとんでもない強さなんだとは思ってたけど、そりゃあずっとダンジョンに住んでたらそうなるわよね。普通は住まないけど」


「えへへぇ」


 阿須奈、褒められてはないよ。


「だけど――これからも撮影を続けるんだったら、いくら阿須奈一人が強くても駄目よ。せっかく女の子だけでチームを組んでるんだったら、それぞれが活躍してファンを増やしていかなきゃね。私や阿比留も戦って強くならなきゃ、先の階層で解説やら撮影やらやっていけないでしょ?当然、鈴原もよ」


 当然?あ、当選?やったー。


「実際、ちゃんとした動画にしようと思ったら、4人でも足りないわね。もっといろんなカメラアングルが欲しいわ」


「いや、そんな映画撮るとかじゃないん――」


「甘いわね!!編集を舐めるんなじゃないわよ!!カット割り1つ!台詞のチョイス1つ!それだけでも全体の出来に影響してくるの!!そしてそれはリスナーの反応に直接関わってくるんだからね!!」


「しかしピーナッツを食べる時には関わってこなかった模様」


「ぐぅ!!」


「鈴ちゃん。あれはみらんちゃんの編集が悪かったんじゃなくて、ただただピーナッツを食べるっていう企画が悪かったんだと思うの」


「ぐぅぅ!!」


「そうだな。あんなクソくだらない企画を思いついてしまった、こいつの壊滅的な発想力の無さが原因だな」


「ぐはあぁぁ!!」


 あれ?せっかく増えた仲間なのに、もうすでに虫の息なんだが?


「みらんちゃん!編集《《は》》頼りにしてるからね!!」


「が……く……」


 みらん。ダンジョンで死んだら吸収されるらしいから気を付けるんだぞ?





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