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Coffee Brake  作者: ハンス
2/5

さくら

テーマ『再会』

 さくらって。なんだろう。


 そう僕は思いながら、満開の桜が散る木々の下から心が透き通る青空を見上げる。空はまるで応えるように雲一つなく、微笑んでいた。サァっと、風が僕の頬を摩る。

 僕は改めて、片手にあるお守りを見た。

 十年前、君がくれたものだ。


 思い出って。なんだろう。


 お守りの中には、皺くちゃになった紙が一枚入っている。その紙には、君の優しい文字が哀しんでいた。


 また。逢いたい。


 十年前。君はそう鳴咽しながら、必死に僕に叫んでいた。まるで子供のように。まるで恋人のように。


 だけど今、君はどうしているんだろう。


 十年の月日は、まだ若い僕らにとってはとてつもなく永く、とてつもなく残酷だ。…いや、たしかに残酷だったというべきか。………いや、そう言いたい。


 「桜…くん…?」


 振り向くと、そこには一人の愛らしい少女いた。…いや、女性がいた。十年の月日は少女を女性にしたようだ。


 「十年は…永かった?」


 「…うん。永かった。」


 僕らの間をピンク色の花びらが流れる。


 「十年は…短かった?」


 「…うん。短かった。」


 風が上空へと昇る。


 「君の中の僕は…何色かな?」


 「…さくら色よ。」


 女性へと成長したはずの少女と僕は、さくら色の気持ちを確かめ合いながら、子供らしい口付けを交わした。


 あなたのさくら色は、何色ですか?

もうそろそろ春になりますので書いてみました。

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