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小説家になろうラジオ大賞5

「私、コスモス(秋桜)好きなんだ」「よし、コスモス(宇宙)一緒に見に行こう」勘違いした彼は宇宙飛行士になりましたとさ

作者: 夜狩仁志

小説家になろうラジオ大賞5 参加作品。

テーマは「コスモス」です。

2作品目です。

 

 彼は真っ直ぐな性格で、ちょっとおバカな子でした。


 小学生の頃、同じクラスだった私たちの何気ない会話。


「私、秋桜(コスモス)、好きなんだよね」

「こす?もす?」


「うん。だって綺麗でしょ?」

「お、おう、そうだよな、綺麗だよな!」


 コスモスを花の名前だと知らなかった彼は、家に帰って調べたらしい。


 その結果、宇宙と認識したようで、


「おい(はるか)! コスモス、綺麗だよな!」

「え? そうだね」


「でっかくて! 広くて! 無限大でな!」

「……は?」


「ロマンがあるよな!」

「……コスモスに? まぁ、そうかもね」


 そして数年後……


「俺、宇宙飛行士になる!」

「な!?」


(はるか)にコスモス、見せてやるよ」


 コスモス見るだけで、なぜ宇宙飛行士?

 バカなの?


 こうして私のふとした発言から勘違いをした彼は、猛勉強するのでした。



 そして20年後……



 なんと彼は本当に宇宙飛行士に!


 宇宙ステーションへの次の派遣隊に選ばれ、記者会見に臨む。

 多くの報道陣に囲まれた彼は、インタビューに答え始める。

 私はそれをテレビの画面越しに眺める。


 宇宙飛行士を目指した動機を聞かれると、

「同じクラスの女の子が、コスモスが好きだと言うので。

 自分はその時、コスモスを宇宙のことだと勘違いしまして」


 バカだよねー 

 本当に。


「それで、(はるか)にコスモスを見せてやるって約束しまして……」


 バカ!

 私の名前を言うんじゃないって!

 生放送中!


「夢は遥と一緒に宇宙旅行することです」


 あー 

 私は無理だね。

 訓練についてけないし。

 なにより乗物酔いが激しくて。


 あと個人名はやめろ。


「実は……この任務が無事に終わり地球に帰還した際には、遥にプロポーズをしようと……」


 バカ!

 この大バカ野郎!

 大衆の前でなに宣言してんのさ!

 しかも私も見てんだよ!


 って、帰ったらプロポーズ?

 それフラグだからやめて!

 死亡フラグよ!

 あんた死ぬわよ!



 こうして彼は宇宙(コスモス)へと旅立ち……




 無事に生還。



 そのまま私にプロポーズ。

 沢山の秋桜の花束と共に。


 バカだねー

 本当に。

 真っ直ぐすぎて、私にはもったいないくらい。


 新婚旅行はもちろん宇宙!

 あの頃は宇宙なんて、遠い彼方かと思ってたのに、意外と一般人でも行けるのね。

 いい時代になったわ。


 彼は今、火星のコスモス化計画の研究を担当中。

 コスモスは水分も少なく乾燥した荒れ地でも育つことから、火星で繁殖させようとしているみたい。


「今度は、秋桜(コスモス)でいっぱいの火星を見せてあげるよ」

「楽しみー」


 いつか

 大宇宙(コスモス)の片隅で、

 秋桜(コスモス)の惑星を、

 二人っきりで見れたらね。

今年はまだ時間に余裕がありそうなので、

「小説家になろうラジオ大賞5」

2週目に突入しようと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 勘違いモノは数多くあれど、ここまでストレートだと、かえってすっきります。実際「もともとパイロット志向だった人間の些細なきっかけか」という流れに見える訳で、その手の「プラス方向」勘違いが人生…
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