第六話・後編:共産圏の礎
【新生歴1948年 8月26日 昼過ぎ‐‐‐テリゼ=ノールメル社会主義共和国首都モラコフ マルサザーレム国立歌劇場】
『ではこれより、第1回全ノールメル諸邦全体大会を開催します。初めに、テリゼ共産党書記長、同志グレゴリー・イグナトフより開会のご挨拶です。』
歴史ある劇場に集まる700人代表者らが見守る中、壇上に上る一人の男がいる。
彼こそテリゼ共産党書記長、グレゴリー・イグナトフ。エルテリーゼ内戦における指導者の一人だ。
成立する予定の国のものを中心に吊るされる、計9流れの国旗の下で、彼の演説は始まった。
『同志たち!同志代議士諸君、そして同志労働者諸君!今日という日は、未来永劫語られる記念すべき日となるでしょう。
この6年間という長い戦いは、我々の勝利に終わりました。それを成したのは真の平等と自由を望む、我々テリゼの民全体の結束であります。
1948年。今日この崇高な旗本に集まった8ヵ国の万人は、一人として欠けることなく手を取り合い、新たな時代の幕を開けるのです。
テリゼ=ノールメル社会主義共和国、クヴァシ社会主義労働者党ノールメル共和国、ヤブン・ノールメル社会主義共和国、スパーマー社会主義国、ヴァリナ・ノールメル社会主義国、カルバリンヴァーン・ノールメル社会主義共和国、セイラトム社会主義国、マーカル社会主義共和国。
今日ここに、この8ヵ国が強固な意思と希望をもって連邦国を築き上げることに合意したことを発表し、ノールメル社会主義共和制諸邦国の成立を宣言します!
我々の連邦は、有史以来長らく続いてきた搾取と抑圧の時代を終わらせ、このナダムの万人に真の平等を与える先駆けであり、人間という種が構成する共同体の完成系であります。
我々は、内戦と外部からの干渉を乗り越えてここに至りました。これからは、経済と社会主義建設に全力を注ぐ時です。我々は、国際主義の理念に基づき、多民族国家としての結束と協力を強化し、全世界の労働者を開放する準備を整えなくてはなりません。
同志諸君、我々の闘いはまだ終わってはいません。新しい社会を築くためには、より一丸となって突き進まねばならないのです。我々の手にかかっているのは、このノールメル諸邦の未来だけではありません。ナダムに住まう人民全ての平等と自由。この達成が我々の目的であります。
我々の闘志が、新しい時代を創り上げるのです!これからの道のりも決して平坦ではありませんが、我々は共に進むのです。団結し、力を合わせ、新しい時代を創り上げるのです!
共に進もう、同志たちよ!我々の、人類の未来のために、社会主義の礎を築こう!
我がノールメル諸邦を、共産主義を称えよう!同志諸君、ご起立を!』
こんばんは、[虎石_こせき]です。
フリト、ペンゴ、レンツ、セリトリム、そして最後のノールメル。
今回で列強国が出そろいましたね。
ー次話、ep.79の投稿は2024/08/14/00:00を予定




