表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/107

第二話・閣僚名簿発表

【西暦2041年9月31日 昼過ぎ−−−旧首都圏政府直轄開発地東京地区 政令指定特別区域 首相官邸本棟1階 記者会見室】


首相官邸の記者会見室。薄い青色のカーテンを背に演壇に立つ男がいた。


国会議員バッジとブルーリボンバッジを付けるその男は40代半ばだろうか、皺を目立たせながら柔らかな表情を浮かべる彼からは、陶然とした感情が溢れている。


「えぇこの度、内閣官房長官を担うこととなりました、内堀浩一であります。全力を尽くして職務を全うする所存であります、どうぞよろしくお願いいたします。」


石橋内閣の官房長官。新たな内閣のトップ3に入る重要なポストに身を置くこととなった彼は軽い自己紹介を済ませ、続ける。


「まず初めに内閣官房副長官を紹介いたします。岡本 竜二、官房副長官です。」


内堀 内閣官房長官が立つ演壇の右側、記者会見室の隅には3つの椅子が並んでいる。内閣官房副長官の3人が座る場所だ。


「内閣官房副長官の岡本です。よろしくお願いします」


立ち上がり軽く頭を下げたのは、3つの中で左側のそれに座る男だ。その後も同じように残りの2人、宮本 麻美 内閣官房副長官と今井 明日香 官房副長官の紹介が行われた。


「では、石橋内閣の、閣僚名簿を発表いたします。−−−」


国府田 内閣の後任、第130代内閣総理大臣の石橋 和美率いる新内閣の顔ぶれがついに発表される。


「−−−初めに、内閣総理大臣、石橋和美。−−−」


日本国どころか大日本帝国時代を見ても初となる、女性での就任である。


「−−−総務大臣兼副総理、平野健太。−−−」


内閣総理大臣が死亡又は病気、事故などにより退いた場合、内閣総理大臣指名選挙までの繋ぎとしてその任を一時的に引き継ぐ者を内閣副総理大臣と呼び、ここ数代は総務大臣が兼任している。


内閣総理大臣と総務大臣が同時にその任を退いた場合に備え、それ以降の継承順位も内閣総理大臣が事前に定めるとされ、これを内閣総理大臣臨時代理就任順位と呼ぶ。


臨時代理に就任する順番の1番目は内閣副総理大臣であるため、内閣総理大臣臨時代理就任順位第1位という言葉は存在せず、これはそのまま内閣副総理大臣と呼ばれる。


従って内閣総理大臣臨時代理就任順位の最上位は第2位である。


「−−−法務大臣、菅野清美。−−−」


直前の国府田 内閣からではないため再任や引き続き入閣といった補足は無いが、大内田 純 第128代内閣総理大臣率いる大内田 内閣でも法務大臣を務めた経験を持っている。。



「−−−外務大臣、外交安全保障担当、内閣府特命担当大臣第五世界対外政策担当、赤城樽十郎。−−−」


16年前の2023年に発足した禄㬢優 直久 第124代内閣総理大臣率いる禄㬢優 内閣で外務大臣を努め、その後第125代内閣総理大臣にも就任した赤城 孝太郎を父に持ち、37歳という史上最年少で国務大臣となった男である。


「−−−財務大臣、内閣府特命担当大臣経済財政担当、大蔵総一郎。再任。−−−」


国府田 内閣で財務大臣を務め、今回引き続き同職に就いた男である。


「−−−教育文化大臣、藤井一雄。」


第二次関東大震災後の令和改革にて新設され、技術研究省と共に文部科学省から所管業務の分割移管を受けた教育文化省の大臣である。藤井 教育文化大臣自身も、文部科学省時代に副大臣を務めている。


「−−−技術研究大臣、先端技術開発競争担当、知的財産保護担当、内閣府特命担当大臣技術流出規制担当、山本憲一郎。引き続き入閣。−−−」


令和改革にて上記教育文化省とともに、文部科学省から所管業務の分割移管を受けた技術研究省。


その大臣には、国府田 内閣にて兼任していた内閣官房特命担当大臣先端技術開発競争担当と、同・知的財産保護担当をそのまま引き継ぎ、新たに内閣府の技術流出規制担当も加えて彼が選ばれた。


「−−−厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣少子化対策担当、内閣府特命担当大臣地方創生担当、陣野真規。引き続き入閣。−−−」


彼女も国府田 内閣から引き続きの入閣で、前国土交通大臣である。


「−−−農林水産大臣、第一次産業活性化・遊休農地活用担当、内閣府特命担当大臣食糧自給率増加担当、髙橋智。−−−」


初入閣を果たした彼は、農林水産省の所管法人である独立行政法人農畜産業振興機構に務めた経験を持っている。


「−−−経済産業大臣、産業再生・活性化担当、内閣府特命担当大臣失業・無業者対策担当、山下加代子。−−−」


今回経済産業大臣となった彼女は、赤城 内閣で経済産業副大臣を務め、その後衆議院財務金融委員会の理事や衆議院予算委員会委員長も歴任している。


「−−−国土交通大臣、福本泰。−−−」


第二次関東大震災の発生時に東京都庁港湾局に務め、対応に当たった経験を持ち、防災に関する政策を掲げ国会議員に当選後、今回が初の入閣となる。


「−−−環境大臣、内閣府特命担当大臣惑星環境調査担当環境、松本洋子。−−−」


環境大臣に選ばれた彼女は、この惑星の環境調査という重要な政策も兼任している。二つ前の高野 栄久 第127代内閣総理大臣率いる高野 内閣にて国土交通省の大臣政務官を努めている。


「−−−国防大臣、朝比奈 慎次郎。−−−」


16年前に勃発した日中軍事衝突で当時の防衛省陸上自衛隊に在官し、終結後に退官して国政へ進んだ自衛隊出身者である。自衛隊の出身者で防衛大臣を務めた者は過去に何人か存在しているが、自衛隊又は国防軍の出身者で国防大臣になった者は彼が初めてである。


「−−−内閣官房長官、在留外国人支援人権保護担当、在留在日米軍政策担当、内閣府特命担当大臣日本国転移等一連の特異的不明事案究明担当、内閣府特命担当大臣宇宙政策担当、内堀浩一。−−−」


再び内堀 内閣官房長官の紹介である。今回内堀 内閣官房長官は、他にも4つの特命担当大臣を兼任している。どれも現状で重要なものばかりである。


「−−−生物災害対策防疫大臣、内閣府特命担当大臣惑星環境調査担当疾病防疫、三須彰宏。−−−」


国立健康危機管理研究機構の運営をはじめ、全国の防疫に関する業務を所管する中央省庁。2019年に初めて観測された世界的な生物災害をモデルケースとして、現状では外交、国防、と並んで最も重要視且つ優先すべき事項を所管する機関である。


「−−−災害対策復興大臣、内閣府特命担当大臣旧首都圏政府直轄開発地復興開発担当、増島 明。再任−−−」


旧首都圏政府直轄開発地復興開発担当も含めて、災害対策復興大臣は国府田 内閣から引き続き彼が任命された。


「−−−デジタル大臣、柳沢慎吾。−−−」


業務偏が問題視されていた厚生労働省、そして総務省の情報通信などに関する一部の所管業務が移管され、現在では名称のデジタル省への改名も議論されるほどに規模が拡大した中央省庁の一つである。


「国家公安法執行議院長、池辺博俊。再任。」


東京自治会の解体に成功した功績が大きく影響し、国府田 内閣から引き続いて彼が担うこととなった。


「−−−内閣府特命担当大臣北方四島政策担当、谷野悠斗。−−−」


国府田 内閣では陣野 国土交通大臣が兼任していた役職であるが、日本国転移等一連の特異的不明事案と、それに伴う北方四島政策によって所管業務が急拡大し、専任が妥当であると判断されたため、兼任ではなく単独での役職となった。



「−−−続いて、内閣総理大臣補佐官を紹介いたします。外交、安全保障並びに、総合科学技術政策、宇宙政策、その他特命担当事項を担当、輿水 早苗。再任です。−−−」


2人いる内閣総理大臣補佐官の内の1人であり、外交や安全保障を中心とした国の発展等に関する事項を担当する。


「−−−続きまして、金融経済、健康・医療戦略、子供の貧困対策、孤立防止政策、子ども・若者育成支援政策、原子力運用政策、その他特命担当事項を担当、長原蒼。−−−」


彼は今回の内閣総理大臣補佐官が初入閣となる。もう1人の輿水 内閣総理大臣補佐官とは対称的に、彼は内政等を中心とした担当となっている。


「−−−以上です。宮中での信任式及び認証式は午後4時30分を、石橋総理の就任記者会見は本日午後8時を予定しております。」


毎回ギリギリの投稿です。

お久しぶりです、[虎石_こせき]です。


本文末尾のセリフにある宮中での式典と、石橋総理の就任記者会見は詳しく書くつもりはありません。このまま又は、あと一話分で、第三章へ入ります。


間章・国内情勢では、自分でもどう終わらせようかと四苦八苦していたので、今回は短く終わります。


それから、ずっと前から予告していた国防軍の装備設定に関してです。はじめから国防陸海空3軍分しか書いていませんが、ようやく終わりが見えてきました。あと1週間もすれば書き上がると思います。

しかしここで新たに問題が。文字数が5万文字を超えてしまいました。どう投稿しようかと悩んでおります。


おそらく各軍1から3程度に分割して第3部あたりに割り込み投稿するかと思いますが、以前に削除した[【設定】日本国の指針〜第五世界との接触]という名前の、システム上での別小説を作ってシリーズ設定で紐づけるかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ