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第一話・新総理

__________


【西暦2041年9月31日 昼前−−−旧首都圏政府直轄開発地東京地区 政令指定特別区域 国会 衆議院】


日本国転移等一連の特異的不明事案を受け、国会法第二章国会の会期及び休会第十二条に基づき、同第十条に規定された150日を大きく超えて開催が続く、今年1月24日に召集された通常国会の第253回国会。


他に対応すべき事項が山積みであったという名目の下、内閣総理大臣指名選挙が行われなかった1年と2ヶ月を経てようやくそれが行われようとしていた。


2ヶ月前の40年国会前デモとそれが発展した国会襲撃事件によって、安全上の理由からほぼ全ての機能が停止していた。


そのため内閣総理大臣指名選挙が2ヶ月間行えず、国府田 元内閣総理大臣率いる40年次職務執行内閣の存在は1年と2ヶ月という史上最も長いものとなった。


インターネットを活用した遠隔での業務もあるにはあったが、450人以上でのリモート会議など不可能であるし、本会議といった重要な集会は形式を重んじるべきという考えがあったために今日まで延期されていた。


しかし、この2ヶ月間何もしていなかったわけではない。国会が使用できない間、議院運営委員会らはデジタル庁の協力のもと、審議が要される事項について各会派、個人の立場の確認などを行っていた


今日から機能が再開した国会では、それを元にして審議の内容と結果だけが発表されるという予定であり、これから起こる事を決議ラッシュなどと呼ぶ議員もいる。


そして、今行われている内閣総理大臣指名選挙も、事前にインターネット上で投票が行われ、結果も周知されている上で行われる形式的なものである。


そのため実際に票を入れるといった手順は省略されている。


『−−−石橋和美君、298。朱上智浩君、164。陣野真規君、3。』


『右の結果、本院において、石橋和美君を内閣総理大臣に、指名いたします。』


内閣総理大臣にはこの日、史上初となる女性の指名が行われた。第130代内閣総理大臣、石橋 和美。


衆議院における現在の与党第一党、日本共和党。その総裁である。

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