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第十一話・マカルメニア民主国−2

今回はちょっと短めです。

【新生暦1948年 2月1日 朝−−−マカルメニア民主国首都カムラ アルノルト・ベリーロンド=カムラ】


マカルメニア民主国において帝政時代からの長い歴史を有する格式高い高級宿泊施設、アルノルト・ベリーロンド=カムラ。帝政時代には皇帝一族も好んで利用されたと伝えられており、現在でも政府高官などに親しまれ、外務省の接待にも使用されている。


そんな由緒正しい高級ホテルは今、普段の様相とは打って変わって非常に殺伐とした空気に包まれている。


普段であれば朱色の制服に身を包んだホテルマンらが居並ぶロビーには、その代わりに黒いスーツに身を包んだ者や、何やら作業を行っている作業服の者ら、おそらく軍隊の者だろうか、迷彩服に身を包む者らも見受けられた。


駐車場は政府の公用車や軍用車で埋め尽くされ、入り口にはドアマンではなく小銃を上に向け携える軍人と、全くもってその様子は世界に誇る高級ホテルの体を成しているとは言えなかった。


「どうでしょうか長官。準備は滞り無く、警備体制も万全、ご存知の通り接遇も一流です。」


そんな軍事施設のような状態にある高級ホテルに、たくさん取り巻きを引き連れて訪れたのはマカルメニア民主国内務省の外局、警務庁の長官であった。


「各国大使の到着は3日後だ、警備体制をもう一度詰めておけ。絶対に失敗してはならんぞ」


「もちろんです、今回は国軍の協力もあります。失敗など杞憂ですよ」


ペント・ゴール帝国、フリト帝政国、マカルメニア民主国の3国連名での、列強国を中心とした大国たちの軍縮を目的に開催される国際会議。その準備は4ヶ月前から本格的に始まり、とうとう開催目前に迫っている。


今作業が行われているのは最後の作業、集団客向けの大宴会室で記者団の受け入れを行うための準備だ。


大宴会室もとい記者発表室に入ることが許された報道関係者は、事前の申し込みの中から選定された国内外の19社、全38名である。


今回の国際会議に参加する国は12カ国。寄託国としてマカルメニア民主国をはじめ、参加意思表明順にフリト帝政国、ペント・ゴール帝国、セリトリム聖悠連合皇国、エルテリーゼ大公国、レンツ帝国だ。


他の参加国としてはオブザーバーとして、ルジェニスタ共和国、セント人民共和国、タール・ニ・バエア、ヴォルコビア=ヴォルノバル共同体、スロアニルル王国、日本国などがある。


後半はともかくこのような大国たち、それも列強国に至っては全てが揃うなどという国際的な行事など、ここ30年弱ではおろか大陸戦争以前でも例は限られる。


「そうか。これが終われば、多少は平和になるのだろうか」


今回オブザーバーとしての参加を表明した国は、おそらく条約締結後、施行されて数年のうちに批准を通知してくるだろう。この会議の行末が、この世界の行末と言っても過言ではないのではないだろうか。

お久しぶりです、[虎石_こせき]です。

ギリギリで予約投稿も済ませたことですし、私は宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスターを観に行ってまいります。

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