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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
21章

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558話 懸念

 今回の臨時パーティも一応は滞りなく。吟遊詩人がハープに矢を掛けて攻撃したのは若干謎挙動だったけど、ああいう事も出来るのね。私はと言うと、横やり入れてくるクラゲに対処って形でひたすらに射撃だけだった。ドロップ品やらの事を考えて差し引き赤字ってのだけは頂けない所だが。


「お疲れ様っと」


 そこそこの数を倒して、リアル時間で1時間ちょいの狩りを終えてエルスタンに戻る。一応直近の街もあるけど、わざわざそっちで解散する必要もないのでエルスタン戻り。このゲームにおける首都だし、殆どの人がここを拠点にしているから当たり前の話なんだけどさ。

 で、あっという間にドロップ品やらの分配も終わり、パーティ解散。そこから使わないドロップ品、この場合だと皮やら牙、換金用のアイテムがちらほらと、それを各所で売って資金繰りも完了。そのまま稼いだ金を銃弾に必要な材料、火薬以外につぎ込んでから自宅に戻る。


「おかえりなさいませ」

「全く……今日の稼ぎが全部銃弾で消えていくのは何とも空しい所で」


 買ってきた材料とひたすら溜め込んである火薬をフィーラに渡して銃弾の量産。大体100発なのでリアルタイムで20分前後、此処までフィーラの事を育成したかいがあったってもんよ。その間は自宅の庭でまったりと。とりあえず最近使ってたウサ銃をがちゃがちゃと弄りながら、ちょっとだけよぎっていたことを思い出す。


「やっぱ臨時パーティメインで行くなら趣味の銃を使うってのが限界よなあ……」


 コッキングしたり、手で1発ずつがしゃがしゃと装填したり、あまりにもマニュアルな事が多い今のウサ銃。ぶっちゃけた話で言えばレベル帯に合っていない装備。アタッチメントだったり使用している弾丸の作薬量や弾頭を変えれば+αで効果を付けることは出来るけど、固定ダメージ部分に関しては完全に銃それぞれに割り振られている。そのうえで、銃のジャンルごとに大体の固定ダメージの量のふり幅が合って、装弾数次第でまた増減あり。

 前回と言うか、さっきの臨時パーティでも思い知ったわけだけど、自分の趣味を貫くのも大事なRPではあるんだけど、それ以前に効率的な事を考えたらやっぱりあまり足を引っ張るような事はやれない。たまたま3発で1体倒せるくらいの火力があったからよかっただけで、リロード挟んで4、5発なんて事になるとそれはそれで面倒になる。


「それじゃあ何を持つかって話なんだよなあ」


 私が確認しているだけでHG、SMG、SG、AR、MG、SR、GL、RLって所。此処から更にオートマチックなのか、リボルバーなのか、セミオートなのか、オートなのか……まあ、細分化されていくわけで、何だったら私の職業的に大型化したものもあるから、種類は腐る程あるわ。そのうえで私の戦闘スタイルと、噛み合う銃を選んでいくのがガンナーのセオリーになる。こんなことを改めて、どうこういうもんではないっちゃないんだけど、言ったり考えたりするには大事な事。とりあえずメモ帳に銃の種類を書き込んでから使える物使えない物に分けていく。


「スキルと職を考えたら大型ハンドガンが一番しっくりくるけど、ガンカタは前衛だし……」


 ステータスと立ち回り的に前衛をするってのがあくまでも自衛手段だから実はあんまり相性が良いとは言えない。だから装備するとしてもハンドガンは本当に自衛用で1丁持つとして、じゃあメインは何にするのかって事になる。そこまで接近しないってのを考慮するとARやSR辺りが一番良いのだが、そろそろ爆弾周りの手投げもどうにかしたい。


「もちっと『ケルベロス』としての良い所が欲しいなあ……」


 二次職の強みってのがどーも弱いんだよね。専用の必殺技や武器は追加されたけど、どうもぱっとしない。何かもっといい感じの物がありそうなんだけど、結局見つけてないって可能性はデカい。あとは単純にガンナーの人口が増えているけど、ケルベロスの数が圧倒的に少ない。こういうなんか変な奴をやるって事は、大体私みたいなひねくれた奴でしかない。


「なんかいいアイディア無い?」

「と、言われましても」

「こう、サブアーム的な奴でフリーハンドで戦えるみたいな」

「それをやったらどうでしょうか」


 そう簡単に言ってくれるけど……って思ったけど、やったらどうって事は可能なのか?そもそもフィーラって一応メカ、ロボだから機械的な種族だよな。


「サブアーム展開、なんて出来たり?」

「はい、可能です」


 出来るのは出来るんだろうけど、あくまでもプレイヤーの補助をしてくれるNPCだから使い道が無いと言えばない。NPCに出来てプレイヤーにできないものはないと思うけど、そうなってくると物凄く昔に考えていた機械工学を本格的に探してやるしかないっぽい。ちなみにその手のスキル情報はほとんどないので相変わらず自力捜索。まあゲーム発売してまだ半年も経ってないし、欲しいもんがぽこぽこ出てきたら困るわな。


「ご主人様、そもそもなぜサブアームを?」

「だって1丁ずつしか装備できないし」

「合わせるのはダメですか?」

「……その方向性はあんまり考えてなかった」


 アタッチメント方式はあるからそっちの方にばっかり意識と考えがいっていたけど、言われてみれば複合武器にした方が私の性には合う気がする。


「あんたに銃を渡してぱぱーっと作成、なんて事できないよな」

「できますが、できません」

「どういうこっちゃ」

「私たちは無から何かを作り出すことはできません」


 つまるところ、どこかでレシピを手に入れるか、自力で作ったって実績が無いと意味がないって事か。そらそうだって話にはなるけど、結構これ情報として有益な事言ってるな。NPCがはっきりとできるって言っているから、希望が全くないって訳じゃない。


「臨時パーティであちこち行って金策と工学系スキルの発見をしていくのがいいか」


 あとの問題は、棺桶に仕込むのかギターケースに仕込むのか、そう言ったところになれば良いんだけど。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやもう4日で1話からここまできちゃった。主人公のキャラ良すぎるんよなぁ。 [気になる点] 薫んとこでのファションショーはもうやってへんの? [一言] 最新話追いついたー!
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